・ポラツズマブベドチン+ガザイバ+レブラミド併用療法の有効性・安全性を検証
・安全性プロファイルは既存の各臨床薬で確認されているものと一致、良好な抗腫瘍効果を示した
2019年6月13日から16日までオランダ・アムステルダムで開催された欧州血液学会(EHA)にて、再発難治性濾胞性リンパ腫患者に対するCD79bを標的とする抗体薬物複合体であるポラツズマブベドチン+抗CD20モノクローナル抗体であるオビヌツズマブ(商品名ガザイバ;以下ガザイバ)+レナリドミド(商品名レブラミド;以下レブラミド)併用療法の有効性、安全性を検証した1b/2相試験(NCT02600897)の結果がVall d'Hebron Barcelona Hospital Campusのpau abrisqueta氏らにより公表された。
本試験は、再発難治性濾胞性リンパ腫患者に対して28日を1サイクルとして1日目にポラツズマブベドチン1.4mg/kgまたは1.8mg/kg+1,8,15日目にガザイバ1000mg(2サイクル目以降は1日目)+1~21日目にレブラミド10~20mg併用療法を投与し、主要評価項目として用量制限毒性(DLT)、第2相試験推奨用量、安全性、完全奏効率(CR)などを検証した多施設共同オープンラベルの1b/2相試験である。
本試験に登録された52人患者の背景は下記の通りである。年齢中央値は62歳(32-87歳)、性別は男性60%、女性40%だった。前治療歴 は2レジメン以上79%で、7cm以上のバルキー病変を有する患者の割合は17%だった。
以上の背景を有する患者に対する本試験の結果は下記の通りである。
主要評価項目である用量制限毒性(DLT)は2人の患者で確認されて、1人はグレード4のリパーゼ/アミラーゼ上昇、1人はグレード3の血小板減少性であった。そして、第2相試験推奨用量はポラツズマブベドチン1.4mg/kg、レブラミド20mgとして設定された。グレード3以上の有害事象(AE)発症は75%の患者で確認され、その内訳は好中球減少症46%、血小板減少性17%、貧血12%、感染症12%であった。
その他評価項目である評価可能であった18人の患者における客観的奏効率(ORR)89%(N=16人)、完全奏効率(CR)67%(N=12人)、部分奏効率(PR)22%(N=4人)、病勢安定率(SD)6%(N=1人)を示した。
以上の1b/2相試験の結果よりpau abrisqueta氏らは以下のように結論を述べている。”再発難治性濾胞性リンパ腫患者に対するCD79bを標的とする抗体薬物複合体ポラツズマブベドチン+抗CD20モノクローナル抗体ガザイバ+レブラミド併用療法は、安全性プロファイルが既存の各臨床薬で確認されているものと一致しており、抗腫瘍効果も良好でした。”
POLATUZUMAB VEDOTIN (POLA) + OBINUTUZUMAB (G) AND LENALIDOMIDE (LEN) IN PATIENTS (PTS) WITH RELAPSED/REFRACTORY (R/R) FOLLICULAR LYMPHOMA (FL): INTERIM ANALYSIS OF A PHASE IB/II TRIAL.(2019 EHA,Abstract No:S102)