8/10(土)開催【胃がんキャラバンin青森】お申込み受付中!

移植適応のある初発多発性骨髄腫患者に対するダラザレックス+ボ ルテゾミブ+サリドマイド+デキサメタゾン併用療法、地固め療法後で微小残存病変陰性達成率64%を示す米国臨床腫瘍学会(ASCO 2019)より


  • [公開日]2019.06.24
  • [最終更新日]2019.06.24
この記事の3つのポイント
・移植適応のある初期多発性骨髄腫が対象の第3相試験
・ダラツムマブ+ボルテゾミブ+サリドマイド+デキサメタゾン併用療法有効性安全性を比較検証
・VTd療法に比べて地固め療法後で深い奏効を達成し、無増悪生存期間も延長した

2019年5月31日から6月4日までアメリカ合衆国・イリノイ州・シカゴで開催された米国臨床腫瘍学会(ASCO 2019)にて、移植適応のある初発多発性骨髄腫(NDMM)患者に対するヒト抗CD38モノクローナル抗体薬であるダラツムマブ(商品名ダラザレックス;以下ダラザレックス)+ボルテゾミブ+サリドマイド+デキサメタゾン(D-VTd)併用療法の有効性、安全性を比較検証した第3相のCASSIOPEIA試験(NCT02541383)の結果がUniversity Hospital of NantesのPhilippe Moreau氏らにより公表された。

CASSIOPEIA試験とは、移植適応のある初発多発性骨髄腫(NDMM)患者(N=1085人)に対して移植前導入療法として28日を1サイクルとしてダラザレックス16mg/kg+ボルテゾミブ1.3mg/m2+サリドマイド100mg+デキサメタゾン20-40mg(D-VTd)併用療法を4サイクル投与し、移植後コンソリデーション療法として28日を1サイクルとしてダラザレックス16mg/kg+ボルテゾミブ1.3mg/m2+サリドマイド100mg+デキサメタゾン20mg(D-VTd)併用療法を2サイクル投与する群(N=543人)、または28日を1サイクルとしてボルテゾミブ1.3mg/m2+サリドマイド100mg+デキサメタゾン20-40mg(VTd)併用療法を4サイクル投与し、移植後コンソリデーション療法として28日を1サイクルとしてボルテゾミブ1.3mg/m2+サリドマイド100mg+デキサメタゾン20mg(VTd)併用療法を2サイクル投与する群(N=542人)に1対1の割合で無作為に振り分け、主要評価項目として地固め療法後の厳格な完全奏効(sCR)、副次評価項目として微小残存病変MRD)陰性達成率、完全奏効達成率、無増悪生存期間(PFS)、全生存期間OS)を比較検証した第3相試験である。

本試験に登録された患者背景は下記の通りである。

年齢中央値
D-VTd群=59歳(22-65歳)
VTd群=58歳(26-65歳)

性別
D-VTd群=男性 58%
VTd群=男性 59%

Performance Status
D-VTd群=スコア0 49%、スコア1 41%、スコア2 10%
VTd群=スコア0 47%、スコア1 42%、スコア2 10%

M蛋白の型
D-VTd群=IgG型 61%、IgA型 15%
VTd群=IgG型 58%、IgA型 18%

ISSステージ分類
D-VTd群=ステージI 38%、ステージII 47%、ステージIII 16%
VTd群=ステージI 42%、ステージII 43%、ステージIII 15%

ハイリスク分類
D-VTd群=標準リスク 85%、ハイリスク 15%
VTd群=標準リスク 84%、ハイリスク 16%

なお、両群間で患者背景に大きな偏りはなかった。

以上の背景を有する患者に対する本試験の結果は下記の通りである。主要評価項目である地固め療法後の厳格な完全奏効率(sCR)はD-VTd群29%に対してVTd群20%、D-VTd群でより深い奏効が確認された(ORR:1.60,95%信頼区間:1.21-2.12,P=0.0010)。なお、客観的奏効率(ORR)はD-VTd群93%に対してVTd群90%を示した。

副次評価項目である地固め療法後の微小残存病変(MRD)陰性達成率はD-VTd群64%に対してVTd群44%、微小残存病変(MRD)陰性達成率はVTd群に比べてD-VTd群で有意に高率であった(P<0.0001)。また、サブグループ解析によればD-VTd群による微小残存病変(MRD)陰性達成率は細胞遺伝学的ハイリスク患者、ISSステージIII患者を含む全ての患者においてVTd群よりも高率であった。

その他の副次評価項目である18ヶ月無増悪生存率(PFS)はD-VTd群93%に対してVTd群85%、D-VTd群で病勢進行または死亡(PFS)のリスクを53%低減した(HR:0.47,95%信頼区間:0.33-0.67)。全生存期間(OS)中央値はフォローアップ期間中央値18.8ヶ月時点では両群ともに未到達を示した。

一方の安全性として、最も多くの患者で確認されたグレード3または4の治療関連有害事象(TRAE)は下記の通りである。血液学的毒性としては好中球減少症がD-VTd群28%に対してVTd群15%、血小板減少性がD-VTd群11%に対してVTd群7%、リンパ球減少症がD-VTd群17%に対してVTd群10%。非血液学的毒性としては口内炎がD-VTd群13%に対してVTd群16%。なお、その他の治療関連有害事象(TRAE)としてインフュージョンリアクションがD-VTd群で35%の患者で確認された。

以上のCASSIOPEIA試験の結果よりPhilippe Moreau氏らは以下のように結論を述べている。”移植適応のある初発多発性骨髄腫(NDMM)患者に対するD-VTd療法は、VTd療法に比べて地固め療法後で深い奏効を達成し、無増悪生存期間(PFS)も延長しました。”

Phase 3 randomized study of daratumumab (DARA) + bortezomib/thalidomide/dexamethasone (D-VTd) vs VTd in transplant-eligible (TE) newly diagnosed multiple myeloma (NDMM): CASSIOPEIA Part 1 results.(2019 ASCO Annual Meeting, Abstract No:8003)

×

この記事に利益相反はありません。