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米国のがん終末期医療の質、医療機関における非白人マイノリティー患者の割合が高まるにつれて低下米国臨床腫瘍学会(ASCO 2019)より


  • [公開日]2019.06.20
  • [最終更新日]2019.06.21
この記事の3つのポイント
・がん終末期医療の質のほとんどは、非白人マイノリティーと非ヒスパニック白人で差がなかった
・一方で、非白人マイノリティーの割合が高まるにつれて、体系的にその質が低下する項目も
・その項目は「救急処置室の経験あり」「集中治療室の経験あり」「ホスピスの照会なし」「延命治療を受けた」

米国におけるがん終末期医療の質のほとんどは、非白人マイノリティー(黒人やヒスパニック、アジア人など)と非ヒスパニック白人の患者で差がないことが明らかになった。一方、非白人マイノリティーの割合が高まるにつれて、体系的にその質が低下する項目もあることが分かった。

これは、米国Dartmouth-HitchcockメディカルセンターのGarrett Wasp氏が5月31日から6月4日まで米国シカゴで開催された米国臨床腫瘍学会(ASCO 2019)で発表したもので、米国の高齢者向け医療保険制度(メディケア)受益者のがん患者12万6434例の入院患者を対象に実施した終末期医療の後向きコホート調査の結果である。

終末期6カ月間に入院していた予後不良のがんで、2016年4月1日から12月31日までに死亡した患者12万6434例のうち、10006例は米国国立がん研究所(NCI)指定、または世界の主要がんセンターネットワーク(NCCN)提携の医療機関53施設(NCI、NCCN提携の重複を含む)のいずれかの施設で終末期医療を受け、非白人マイノリティー患者はそのうち21.4%を占めていた。

終末期医療の質は、化学療法を実施したか、救急処置室や集中治療室の経験があるか、ホスピスの照会を受けたか、延命治療を受けたかなど、8項目の指標で評価された。これらの質指標について、各医療機関レベル、並びに医療機関横断的に、非白人マイノリティー患者集団と白人患者集団とで比較した。


 

その結果、集中治療室の経験あり、ホスピスの照会なし、延命治療を受けた、緩和ケアを受けた、の4項目は、非白人マイノリティーと白人の患者集団間の有意な相関関係が認められ(相関係数(r)は0.70から0.79)、人種差はないことが示された。

しかし、年齢、性別、合併症の因子で補正すると、ホスピスと延命治療の2項目で人種間の有意差が認められた。すなわち、ホスピスの照会なしの割合は、非白人マイノリティー集団が40.2%、白人集団が37.2%(p<0.02)、延命治療を受けた割合はそれぞれ21.8%、19.4%であった(p<0.02)。

次に、非白人マイノリティー患者が占める割合を15%未満(低割合)、15%から30%(中割合)、30%超(高割合)で各医療機関をグループ化して質指標の該当割合を調査したところ、非白人マイノリティーの割合が高まるにつれて、体系的に質が低下する項目が見いだされた。統計学的有意差が認められた項目は次のとおりである。

・救急処置室の経験あり・・・低割合/中割合/高割合=6.0%/8.5%/7.7%(p=0.002)
・集中治療室の経験あり・・・低割合/中割合/高割合=29.1%/29.7%/35.1%(p=0.0004)
・ホスピスの照会なし・・・低割合/中割合/高割合=34.3%/38.7%/36.8%(p=0.005)
・延命治療を受けた・・・低割合/中割合/高割合=14.8%/16.7%/17.9%(p=0.005)

Quality of end-of-life cancer care at minority-serving US cancer centers: A retrospective study of Medicare claims data.(2019 ASCO Annual Meeting, Abstract No:6507)

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