治療歴のある転移性トリプルネガティブ乳がん患者に対するキイトルーダ単剤療法、全生存期間を統計学的有意に改善しない主治医判断の化学療法群に対して優越性を示せず


  • [公開日]2019.05.30
  • [最終更新日]2019.05.31

2019年5月20日、メルク・アンド・カンパニー社プレスリリースにて治療歴のある転移性トリプルネガティブ乳がん患者に対する抗PD-1抗体薬であるペムブロリズマブ(商品名キイトルーダ;以下キイトルーダ)単剤療法有効性安全性を比較検証した第3相のKEYNOTE-119試験(NCT02555657)の主要評価項目である全生存期間OS)の結果が未達成であることが公表された。

KEYNOTE-119試験とは、治療歴のある転移性トリプルネガティブ乳がん患者(N=622人)に対する2次、3次治療として3週を1サイクルとしてキイトルーダ200mg単剤療法を2年間投与する群、または主治医判断の化学療法カペシタビン、エリブリン、ゲムシタビン、ビノレルビン)を2年間投与する群に1対1の割合で無作為に振り分け、主要評価項目として全生存期間(OS)、副次評価項目として客観的奏効率ORR)、無増悪生存期間PFS)などを比較検証したランダム化第3相試験である。

本試験の結果、主要評価項目である全生存期間(OS)は主治医判断の化学療法群に対するキイトルーダ単剤療法群の優越性を示すことができず、主要評価項目を達成できなかった。なお、他の評価項目については主要評価項目が未達成であったために検証されていない。一方の安全性として、本試験で新たに確認された治療関連有害事象(TRAE)はなく、既存の臨床試験で確認されているキイトルーダ単剤療法の安全性プロファイルと一致していた。

以上のKEYNOTE-119試験の主要評価項目未達成の結果を受けて、Merck Research Laboratories・Chief Medical OfficerであるRoy Baynes氏は以下のようなコメントを述べている。”ファーストライン治療後に病勢進行した転移性トリプルネガティブの予後は非常に不良です。今回の試験では残念な結果になりましたが、引き続き我々は転移性トリプルネガティブ乳がん患者に対する抗PD-1抗体薬キイトルーダ単剤療法、併用療法の有効性を検証する試験を推進していきます。”

参照:
米メルク・アンド・カンパニー社プレスリリース

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