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EGFR陽性非小細胞肺がん患者に対するタルセバ+アバスチン併用療法、タルセバ単剤に比べて無増悪生存期間を有意に改善

[公開日] 2019.04.15[最終更新日] 2019.04.15

この記事の3つのポイント ・化学療法治療歴のないEGFR陽性非小細胞肺がん患者が対象の第3相試験
・タルセバ+アバスチン併用療法の有効性・安全性を比較検証
・病勢進行または死亡のリスクを39.5%統計学的有意に減少

2019年4月8日、医学誌『The Lancet Oncology』にて化学療法治療歴のないEGFR陽性非小細胞肺がん患者に対するエルロチニブ(商品名タルセバ;以下タルセバ)+ベバシズマブ(商品名アバスチン;以下アバスチン)併用療法の有効性、安全性を比較検証した第3相のNEJ026試験(UMIN000017069)の結果がKanagawa Cancer CenterのHaruhiro Saito氏らにより公表された。

NEJ026試験とは、化学療法治療歴のないEGFR陽性進行性非小細胞肺がん患者に対して1日1回タルセバ150mg+3週間に1回アバスチン15mg/kg併用療法を投与する群(N=112)、または1日1回タルセバ150mg単剤療法を投与する群(N=114)に1対1の割合で無作為に振り分け、主要評価項目として無増悪生存期間(PFS)、副次評価項目として全生存期間(OS)、奏効率(RR)、安全性などを比較検証した多施設共同オープンラベルの第3相試験である。

本試験のフォローアップ期間中央値12.4ヶ月(IQR:7.0-15.7ヶ月)時点の結果は下記の通りである。主要評価項目である無増悪生存期間(PFS)中央値はタルセバ+アバスチン群16.9ヶ月(95%信頼区間:14.2-21.0ヶ月)に対してタルセバ群13.3ヶ月(95%信頼区間:11.1-15.3ヶ月)を示し、タルセバ+アバスチン群で病勢進行または死亡(PFS)のリスクを39.5%統計学的有意に減少(HR:0.605,95%信頼区間:0.417-0.877,P=0.016)した。

一方の安全性として、グレード3以上の有害事象(AE)発症率はタルセバ+アバスチン群88%(N=98人)に対してタルセバ群46%(N=53人)の患者で確認された。最も多くの患者で確認されたグレード3以上の有害事象(AE)は皮膚障害であり、タルセバ+アバスチン群21%(N=23人)に対してタルセバ群21%(N=24人)の患者で確認された。

また、重篤な有害事象(SAE)発症率はタルセバ+アバスチン群8%(N=9人)に対してタルセバ群4%(N=5人)の患者で確認された。最も多くのタルセバ+アバスチン患者群で確認された重篤な有害事象(SAE)はグレード4の好中球減少症2%(N=2人)、グレード4の肝機能障害1%(N=1人)であった。なお、治療関連有害事象(TRAE)により死亡は1人の患者も確認されなかった。

以上のNEJ026試験の結果よりHaruhiro Saito氏らは以下のように結論を述べている。”化学療法治療歴のないEGFR陽性非小細胞肺がん患者に対するタルセバ+アバスチン併用療法は、タルセバ単剤療法に比べて無増悪生存期間(PFS)を統計学有意に改善しました。今後の追加解析により、全生存期間(OS)の結果を検証していく必要があります。”

Erlotinib plus bevacizumab versus erlotinib alone in patients with EGFR-positive advanced non-squamous non-small-cell lung cancer (NEJ026): interim analysis of an open-label, randomised, multicentre, phase 3 trial(The Lancet Oncology, Published:April 08, 2019)

ニュース 肺がん UMIN000017069

山田創

製薬会社、オンコロジーメディアの運営を経て、フリーのメディカルライターへ転身。Twitterアカウント「@So_Yamada_」

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