・ニラパリブ単剤療法の有効性・安全性を検証
・客観的奏効率は28%など良好な抗腫瘍効果
2019年4月1日、医学誌『The Lancet Oncology』にて複数治療歴のある卵巣がん患者に対するポリADPリボースポリメラーゼ(PARP)阻害薬であるニラパリブ単剤療法の有効性、安全性を検証した第2相のQUADRA試験(NCT02354586)の結果がUniversity of OklahomaのKathleen N Moore氏らにより公表された。
QUADRA試験とは、複数治療歴のある相同組換え修復異常(HRD)陽性卵巣がん患者(N=463人)に対して28日を1サイクルとして1日1回ニラパリブ300mg単剤療法を病勢進行または予期せぬ有害事象(TRAE)が発現するまで投与し、主要評価項目として相同組換え修復異常(HRD)陽性卵巣がん患者における客観的奏効率(ORR)を検証した多施設共同オープラベルシングルアームの第2相試験である。
本試験の結果、主要評価項目である客観的奏効率(ORR)は28%(95%信頼区間:15.6-42.6%,P=0.00053)を示した。また、全生存期間(OS)中央値は12.2ヶ月(95%信頼区間:3.7-22.1ヶ月)を示した。
最も多くの患者で確認されたグレード3以上の治療関連有害事象(TRAE)は貧血24%(N=113人)、血小板減少性21%(N=95人)、最も多くの患者で確認された重篤な有害事象は小腸閉塞7%、血小板減少性7%、嘔吐6%であった。なお、消化器系有害事象により1人の患者で死亡が確認されている。
以上のQUADRA試験の結果よりKathleen N Moore氏らは以下のように結論を述べている。”複数治療歴のある相同組換え修復異常(HRD)陽性卵巣がん患者に対するニラパリブ単剤療法は良好な抗腫瘍効果を示しました。”