・厚生労働省より先駆け審査指定制度の対象品目に指定
・国内外において頭頸部がんや食道がんで臨床試験が進行中
4月8日、楽天メディカル社は、同社が独占的ライセンスを有し、頭頸部がん患者に対する光免疫療法(PIT)として開発中のASP-1929について、厚生労働省より先駆け審査指定制度の対象品目に指定されたと発表した。
光免疫療法は、抗体によりがん細胞を選択的に標的化し、レーザーによってがん細胞を壊死させる治療法。セツキシマブとIRDye 700DXの複合体のASP-1929は、頭頸部がんや食道がんなど様々な種類の固形がんに発現する上皮成長因子受容体(EGFR)を標的とし、がん細胞と結合後、レーザー機と光ファイバーにより照射された赤色光により、局所的に活性化される。
今回の指定では、国内での第1相、及び米国第1/2a相試験の解析結果を使用。これらの試験では、全奏効率において臨床的に意味のある改善が認められ、頭頸部がん患者集団において現在利用可能な標準治療の過去データと比較して、生存期間が改善する可能性が示されている。
今回の指定を受け、楽天メディカル社の三木谷浩史社長は、次のように述べた。“私たちのもとに、多くの患者さんから治療を待ちわびているというご連絡が日々届きます。そのような声に対して、希望の光となるご報告ができることを嬉しく感じます。今回の指定は、頭頸部がんの患者さんに革新的な治療薬を届けるための大きな一歩となりました。本制度で定められたプロセスを確実にこなすことで、一日でも早く、そして一人でも多くの患者さんに、この治療法を届けることを目指していきます”
なお、ASP-1929は現在、国内外において「頭頸部がん」「食道がん」の患者を対象に臨床試験が実施されている。また、再発頭頸部扁平上皮がんの治療法としては、2018年に米国食品医薬品局(FDA)からファストトラック指定を受けている。