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未治療進行性腎細胞がん患者に対するファーストライン治療としてのバベンチオ+インライタ併用、無増悪生存期間を有意に改善The New England Journal of Medicineより


  • [公開日]2019.02.28
  • [最終更新日]2019.04.05
この記事の3つのポイント
・未治療の進行性腎細胞がん患者が対象の第3相のJAVELIN Renal 101試験
ファーストライン治療としてのバベンチオ+インライタ併用療法の有効性を比較検証
・死亡リスクを22%減少し、無増悪生存期間を統計学有意に減少した

2019年2月16日、医学誌『The New England Journal of Medicine』にて未治療の進行性腎細胞がん患者に対するファーストライン治療としての抗PD-L1抗体薬であるアベルマブ(商品名バベンチオ;以下バベンチオ)+チロシンキナーゼ阻害薬(TKI)であるアキシチニブ(商品名インライタ;以下インライタ)併用療法の有効性を比較検証した第3相のJAVELIN Renal 101試験(NCT02684006)の結果がMemorial Sloan Kettering Cancer CenterのRobert J. Motzer氏らにより公表された。

JAVELIN Renal 101試験とは、未治療の進行性腎細胞がん患者(N=886人)に対してファーストライン治療として2週間に1回バベンチオ10mg/kg+1日2回アキシチニブ5mg併用療法を投与する群(N=442人)、または1日1回スーテント50mgを4週間連日経口投与し、その後2週間休薬する群(N=444人)に1対1の割合で無作為に振り分け、主要評価項目としてPD-L1発現率陽性患者群における無増悪生存期間(PFS)、PD-L1発現率陽性患者群における全生存期間OS)、副次評価項目として客観的奏効率ORR)などを比較検証した国際多施設共同の第3相試験である。

本試験が実施された背景として、血管新生阻害薬であるスーテントは進行性腎細胞がんの標準治療薬であるが、多くの患者はスーテントに対する耐性を獲得し、病勢が進行する。ここ最近、バベンチオをはじめ免疫チェックポイント阻害薬の腎細胞がんに対する有用性が確認されており、現に第Ib相試験におけるバベンチオ+インライタ併用療法の客観的奏効率(ORR)58%、病勢制御率(DCR)78%である。以上の背景より、未治療腎細胞がんに対する本治療の有用性が検証された。

本試験に登録された患者背景は下記の通りである。

年齢中央値

バベンチオ群=62.0歳(29.0-83.0歳)
スーテント群=61.0歳(27.0-88.0歳)

性別

バベンチオ群=男性71.5%(N=316人)、女性28.5%(N=126人)
スーテント群=男性77.5%(N=344人)、女性22.5%(N=100人)

IMDCリスク分類

バベンチオ群=Favorableが21.3%(N=94人)、Intermediateが61.3%(N=271人)、Poorが16.3%(N=72人)
スーテント群=Favorableが21.6%(N=96人)、Intermediateが62.2%(N=276人)、Poorが16.0%(N=71人)

手術歴

バベンチオ群=あり79.6%(N=352人)、なし20.4%(N=90人)
スーテント群=あり80.0%(N=355人)、なし20.0%(N=89人)

以上の背景を有する患者に対する本試験の結果は下記の通りである。主要評価項目であるPD-L1発現率陽性患者群における無増悪生存期間(PFS)中央値はバベンチオ群13.8ヶ月(95%信頼区間:95%信頼区間:11.1ヶ月-未到達)に対してスーテント群7.2ヶ月(95%信頼区間:95%信頼区間:5.7ヶ-9.7ヶ月)、バベンチオ群で病勢進行または死亡(PFS)のリスクを39%統計学有意に減少した(HR:0.61,95%信頼区間:0.47-0.79,P<0.001)。

全患者群における無増悪生存期間(PFS)中央値はバベンチオ群13.8ヶ月(95%信頼区間:95%信頼区間:11.1ヶ月-未到達)に対してスーテント群8.4ヶ月(95%信頼区間:95%信頼区間:6.9ヶ-11.1ヶ月)、バベンチオ群で病勢進行または死亡(PFS)のリスクを31%統計学有意に減少した(HR:0.69,95%信頼区間:0.56-0.84,P<0.001)。

また、もう1つの主要評価項目であるPD-L1発現率陽性患者群における全生存期間(OS)はバベンチオ群で13.7%(N=37人)に対してスーテント群で15.2%(N=44人)の患者で死亡が確認され、バベンチオ群で死亡(OS)のリスクを18%減少した(HR:0.82,95%信頼区間:0.53-1.28,P=0.38)。

全患者群における全生存期間(OS)はバベンチオ群で14.3%(N=63人)に対してスーテント群で16.9%(N=75人)の患者で死亡が確認され、バベンチオ群で死亡(OS)のリスクを22%減少した(HR:0.78,95%信頼区間:0.55-1.08,P=0.14)。

その他重要な評価項目であるPD-L1発現率陽性患者群における客観的奏効率(ORR)はバベンチオ群55.2%(95%信頼区間:49.0-61.2%)に対してスーテント群25.5%(95%信頼区間:20.6-30.9%)を示した。なお、その奏効率の内訳はバベンチオ群で完全奏効率(CR)4.4%(N=12人)、部分奏効率(PR)50.7%(N=137人)に対してスーテント群で完全奏効率(CR)2.1%(N=6人)、部分奏効率(PR)23.4%(N=68人)。

また、全患者群における客観的奏効率(ORR)はバベンチオ群51.4%(95%信頼区間:46.6-56.1%)に対してスーテント群25.7%(95%信頼区間:21.7-30.0%)を示した。なお、その奏効率の内訳はバベンチオ群で完全奏効率(CR)3.4%(N=15人)、部分奏効率(PR)48.0%(N=212人)に対してスーテント群で完全奏効率(CR)1.8%(N=8人)、部分奏効率(PR)23.9%(N=106人)を示した。

一方の安全性として、全グレードの治療関連有害事象(TRAE)発症率はバベンチオ群99.5%(N=432/434人)に対してスーテント群99.3%(N=436/439人)、グレード3以上の治療関連有害事象(TRAE)発症率はバベンチオ群71.2%(N=309/434人)に対してスーテント群71.5%(N=314/439人)を示した。

なお、バベンチオ群で最も多くの患者で確認された全グレードの治療関連有害事象(TRAE)は下痢62.2%(N=270人)、高血圧49.5%(N=215人)、倦怠感41.5%(N=180人)、吐き気34.1%(N=148人)、手足症候群33.4%(N=145人)、発声障害30.6%(N=133人)。また、バベンチオ群で最も多くの患者で確認されたグレード3以上の治療関連有害事象(TRAE)は高血圧25.6%(N=111人)、下痢6.7%(N=29人)、ALT上昇6.0%(N=26人)、手足症候群5.8%(N=25人)などあった。

以上のJAVELIN Renal 101試験の結果よりRobert J. Motzer氏らは以下のように結論を述べている。”未治療の進行性腎細胞がん患者に対するファーストライン治療としての抗PD-L1抗体薬バベンチオ+チロシンキナーゼ阻害薬インライタ併用療法は、無増悪生存期間(PFS)を統計学有意に減少しました。”

Avelumab plus Axitinib versus Sunitinib for Advanced Renal-Cell Carcinoma(N Engl J Med 2019; 380:617-628)

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