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進行性肝細胞がん患者に対するネクサバール+ゼローダ+オキサリプラチン併用、ネクサバール単剤と無増悪期間の有意差なし

[公開日] 2019.02.15[最終更新日] 2019.02.15

この記事の3つのポイント ・進行性肝細胞がん患者が対象の第2相試験
・SECOX療法の無増悪期間などをネクサバール単剤と比較
・増悪期間を統計学有意に改善せず、上乗せ効果は確認されず

2019年1月17日~1月19日まで米国・サンフランシスコで開催された消化器がんシンポジウム(ASCO GI 2019)にて進行性肝細胞がん患者に対する経口マルチキナーゼ阻害薬であるソラフェニブ(商品名ネクサバール;以下ネクサバール)+カペシタビン(商品名ゼローダ;以下ゼローダ)+オキサリプラチン併用療法(以下;SECOX療法)の有効性を検証した第2相試験(NCT02716766)の結果がThe University of Hong KongのThomas Cheung Yau氏らにより公表された。

本試験は、進行性肝細胞がん患者(N=46人)に対してSECOX(1~14日目に1日2回ネクサバール400mg+1~7日目に1日2回ゼローダ850mg/m2+1日目にオキサリプラチン85mg/m2)併用療法を投与する群、または1~14日目に1日2回ネクサバール400mg単剤療法を投与する群に1対1の割合で分け、主要評価項目として無増悪期間(TTP)、副次評価項目として客観的奏効率(ORR)、無増悪生存期間(PFS)、全生存期間(OS)などを比較検証した第2相試験である。本試験に登録された患者背景は下記の通りである。年齢中央値は64歳。性別は男性72%。

以上の背景を有する患者に対する本試験の結果は下記の通りである。主要評価項目である無増悪期間(TTP)中央値はSECOX併用群3.2ヶ月(95%信頼区間:1.7-5.8ヶ月)に対してネクサバール群2.8ヶ月(95%信頼区間:1.8-4.0ヶ月)、SECOX併用群で増悪(TTP)のリスクを9%減少(HR:0.91,95%信頼区間:0.5-1.7,P=0.77)するも統計学的有意な差は確認されなかった。

副次評価項目である無増悪生存期間(PFS)中央値はSECOX併用群3.1ヶ月(95%信頼区間:1.6-5.8ヶ月)に対してネクサバール群2.7ヶ月(95%信頼区間:1.8-4.0ヶ月)。全生存期間(OS)中央値はSECOX併用群7.1ヶ月(95%信頼区間:3.0-15.3ヶ月)に対してネクサバール群12.5ヶ月(95%信頼区間:7.2-15.4ヶ月)。奏効率として完全奏効(CR)、部分奏効(PR)、病勢安定(SD)を示した臨床的有用率はSECOX併用群36%に対してネクサバール単剤群21%を示した。

一方の安全性として、全グレードの治療関連有害事象(TRAE)発症率はSECOX併用群64%に対してネクサバール単剤群71%を示した(P=0.75)。なお、最も多くの患者で確認された治療関連有害事象(TRAE)はSECOX併用群でグレード3/4のALP増加14%、ネクサバール群で手足症候群25%を示した。

以上の第2相試験の結果よりThe University of Hong Kong・Thomas Cheung Yau氏らは以下のように結論を述べている。”進行性肝細胞がん患者に対するSECOX併用療法は、ネクサバール単剤療法に比べて増悪期間(TTP)を統計学有意に改善せず、ゼローダ、オキサリプラチンの上乗せ効果は確認されませんでした。”

Randomised phase II trial of sorafenib, capecitabine and oxaliplatin (SECOX) versus single agent sorafenib in patients with advanced hepatocellular carcinoma.(ASCO GI 2019, Presented Friday, January 18, 2019)

ニュース 肝臓がん NCT02716766

山田創

製薬会社、オンコロジーメディアの運営を経て、フリーのメディカルライターへ転身。Twitterアカウント「@So_Yamada_」

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