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進行性大腸がん患者に対する2次治療としてのニンテダニブ+FOLFOX療法、無増悪生存期間を改善するも有意差なし

[公開日] 2019.02.14[最終更新日] 2019.02.14

この記事の3つのポイント ・FOLFOX療法以外の化学療法に対して不応の進行性大腸がん患者が対象の第2相試験
・2次治療としてのニンテダニブ追加療法の有効性を検証
・無増悪生存期間、全生存期間、病勢制御率を改善も、有意差は確認されず

2019年1月17日~1月19日まで米国・サンフランシスコで開催された消化器がんシンポジウム(ASCO GI 2019)にてFOLFOX療法以外の化学療法に対して不応の進行性大腸がん患者に対する2次治療としてのチロシンキナーゼ阻害薬であるニンテダニブ追加療法の有効性を検証した第2相試験(NCT01362361)の結果がUlm UniversityのThomas Jens Ettrich氏らにより公表された。

本試験は、FOLFOX療法以外の化学療法に対して不応の進行性大腸がん患者(N=53人)に対する2次治療として14日を1サイクルとして1~14日目に1日2回ニンテダニブ200mg+FOLFOX併用療法を投与する群、または14日を1サイクルとして1~14日目に1日2回プラセボ+FOLFOX併用療法を投与する群に1対1の割合で無作為に分け、主要評価項目として無増悪生存期間(PFS)、副次評価項目として客観的奏効率(ORR)、全生存期間(OS)、安全性などを比較検証した二重盲検下第2相試験である。

本試験の結果、主要評価項目である無増悪生存期間(PFS)中央値はニンテダニブ群8.1ヶ月に対してプラセボ群4.6ヶ月、ニンテダニブ群で病勢進行または死亡(PFS)のリスクが35%減少(HR 0.65,95%信頼区間:0.32-1.30,P=0.2156)した。

副次評価項目である全生存期間(OS)中央値はニンテダニブ群17.1ヶ月に対してプラセボ群9.9ヶ月、ニンテダニブ群で死亡(OS)のリスクが3%増加(HR 1.03,95%信頼区間:0.48-2.23,P=0.9387)した。客観的奏効率(ORR)はニンテダニブ群3.8%に対してプラセボ群3.7%、病勢制御率(DCR)はニンテダニブ群66.7%に対してプラセボ群50%(P=0.2709)を示した。

一方の安全性として、ニンテダニブ群でプラセボ群よりも多くの患者で確認された治療関連有害事象(TRAE)は、グレード3/4の好中球減少症19%(プラセボ群12%)、消化器系不良23%(プラセボ群15%)を示した。

以上の第2相試験の結果について、Thomas Jens Ettrich氏らは以下のように結論を述べている、”FOLFOX療法以外の化学療法に対して不応の進行性大腸がん患者に対するニンテダニブ+FOLFOX療法は、無増悪生存期間(PFS)、全生存期間(OS)、病勢制御率(DCR)を改善するも、プラセボ群に対する統計学有意な差は確認されませんでした。”

Nintedanib versus placebo in patients receiving mFOLFOX6 for metastatic, chemorefractory colorectal cancer: TRICC-C trial—Final results from the randomized phase II trial of the AIO.(ASCO GI 2019, Presented Saturday, January 19, 2019)

ニュース 大腸がん NCT01362361

山田創

製薬会社、オンコロジーメディアの運営を経て、フリーのメディカルライターへ転身。Twitterアカウント「@So_Yamada_」

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