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高リスクステージ3大腸がん患者に対する術後補助化学療法としてのSOX療法、UFT/LV療法に比べて無病生存率で優越性示せず

[公開日] 2019.02.07[最終更新日] 2019.02.07

この記事の3つのポイント ・高リスクステージ3大腸がん患者が対象の第3相ACTS-CC02試験
・術後補助化学療法としてのSOX療法の有効性を比較検証
・UFT/LV療法に比べて無病生存率を統計学的有意に改善しなかった

2019年1月17日~1月19日まで米国・サンフランシスコで開催された消化器がんシンポジウム(ASCO GI 2019)にて高リスクステージ3大腸がん患者に対する術後補助化学療法としてのSOX療法の有効性を比較検証した第3相のACTS-CC02試験(JapicCTI-101073)の結果が岐阜大学・腫瘍外科・高橋孝夫氏らにより公表された。

ACTS-CC02試験とは、高リスクステージ3大腸がん患者に対する術後補助化学療法として21日を1サイクルとして1日目にオキサリプラチン100mg/m2+1~14日目まで1日1回S-180~120mg併用療法を投与する群(SOX)、または35日を1サイクルとして1~28日目までUFT300~600mg+LV75mg併用療法を投与する群(UFT/LV)に分け、主要評価項目として無病生存率(DFS)、副次評価項目として無再発生存率(RFS)、全生存率(OS)などを比較検証した第3相のランンダム化比較試験である。

本試験に登録された患者背景は下記の通りである。年齢中央値65.0歳。ECOG Performance Statusはスコア0が94.0%。進行病期はステージ3Aが1.3%、ステージ3Bが50.2%、ステージ3Cが48.6%。以上のような背景を有する患者に対する本試験の結果は下記の通りである。

主要評価項目である3年無病生存率(DFS)はUFT/LV療法群60.6%に対してSOX療法群62.7%、SOX療法群で無病のリスクを10%減少(HR:0.90,95%信頼区間:0.74-1.09,P=0.28)するも統計学的有意な差は確認されなかった。

また、ステージ3B群における3年無病生存率(DFS)はUFT/LV療法群69.3%に対してSOX療法群68.5%、SOX療法群で無病のリスクを1%増加(HR:1.01,95%信頼区間:0.74-1.37,P=0.95)した。ステージ3C群における3年無病生存率(DFS)はUFT/LV療法群50.6%に対してSOX療法群55.8%、SOX療法群で無病のリスクを18%減少(HR:0.82,95%信頼区間:0.63-1.06,P=0.12)した。

一方のサブグループ解析の結果、N2b群における3年無病生存率(DFS)はUFT/LV療法群46.0%に対してSOX療法群54.7%、SOX療法群で無病のリスクを24%減少(HR:0.76,95%信頼区間:0.55-1.05,P=0.10)した。

以上のACTS-CC02試験の結果より岐阜大学・腫瘍外科・高橋孝夫氏らは以下のように結論を述べている。”高リスクステージ3大腸がん患者に対する術後補助化学療法としてのSOX療法はUFT/LV療法に比べて無病生存率(DFS)を統計学的有意に改善しませんでした。しかしながら、ステージ3C、N2b患者群などにおいては無病生存率(DFS)が優れておりました。”

A randomized phase III trial of S-1/oxaliplatin (SOX) versus UFT/leucovorin as adjuvant chemotherapy for high-risk stage III colon cancer: The ACTS-CC 02 trial.(ASCO GI 2019, Presented Saturday, January 19, 2019)

ニュース 大腸がん JapicCTI-101073

山田創

製薬会社、オンコロジーメディアの運営を経て、フリーのメディカルライターへ転身。Twitterアカウント「@So_Yamada_」

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