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低分化型神経内分泌腫瘍患者に対するキイトルーダ単剤療法、客観的奏効率は7%

[公開日] 2019.01.31[最終更新日] 2024.10.03

この記事の3つのポイント ・治療歴のある肺以外の低分化型神経内分泌腫瘍患者に対する第2相試験
・抗PD-1抗体薬キイトルーダ単剤療法の有効性・安全性を検証
・客観的奏効率は7%で、有効性を示すことはできなかった

2019年1月17日~1月19日に米国・サンフランシスコで開催された消化器がんシンポジウム(ASCO GI 2019)にて治療歴のある肺以外の低分化型神経内分泌腫瘍患者に対する抗PD-1抗体薬であるペムブロリズマブ(商品名キイトルーダ;以下キイトルーダ)単剤療法の有効性、安全性を検証した第2相試験(NCT03136055)の結果がUniversity of CaliforniaのClaire Mulvey氏らにより公表された。

本試験は、肺以外の低分化型神経内分泌腫瘍患者(N=14人)に対して3週間に1回キイトルーダ200mg単剤療法を投与し、主要評価項目として客観的奏効率(ORR)、副次評価項目として無増悪生存期間(PFS)、安全性などを検証した非盲検下多施設共同の第2相試験である。

本試験が実施された背景として、肺以外の低分化型神経内分泌腫瘍に対する免疫チェックポイント阻害薬の有効性を示した臨床試験が過去に存在しないためである。過去の臨床試験では、小細胞肺がんに対する抗PD-1抗体薬であるニボルマブ(商品名オプジーボ;以下オプジーボ)が抗腫瘍効果を示している。以上の背景より本試験が実施された。

本試験に登録された患者背景は下記の通りである。年齢中央値は63歳。性別は男性9人、女性5人。神経内分泌腫瘍の種類は小細胞がん11人、大細胞神経内分泌がん1人。以上の背景を有する患者に対する本試験の結果は下記の通りである。

主要評価項目である客観的奏効率(ORR)は7%、その内訳は完全奏効(CR)1人、部分奏効(PR)0人、病勢安定(SD)2人、病勢進行(PD)10人、不明1人であった。副次評価項目である無増悪生存期間(PFS)中央値は58日であった。一方の安全性として、キイトルーダによるグレード3~5の治療関連有害事象(TRAE)を発症した患者は確認され、忍容性が良好であった。

以上の第2相試験の結果よりClaire Mulvey氏らは以下のように結論を述べている。”治療歴のある肺以外の低分化型神経内分泌腫瘍患者に対する抗PD-1抗体薬キイトルーダ単剤療法の有効性は本試験で示すことができませんでした。”

Phase II study of pembrolizumab-based therapy in previously treated extrapulmonary poorly-differentiated neuroendocrine carcinomas: Results of Part A (pembrolizumab alone).(ASCO GI 2019, Presented Friday, January 18, 2019)

ニュース 神経内分泌腫瘍(NET) NCT03136055

山田創

製薬会社、オンコロジーメディアの運営を経て、フリーのメディカルライターへ転身。Twitterアカウント「@So_Yamada_」

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