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進行性胆道がんアジア人患者に対する抗PD-L1抗体薬イミフィンジ単剤、抗CTLA-4抗体薬トレメリムマブ併用療法の安全性
[公開日] 2019.01.28[最終更新日] 2025.01.29
この記事の3つのポイント
・胆道がんに対する免疫チェックポイント阻害薬の第1相試験
・イミフィンジ単剤も、トレメリムマブとの併用も未知の有害事象は認められず
・12週目の病態コントロール率は単剤16.7%、併用32.2%
2019年1月17日~1月19日まで米国・サンフランシスコで開催された消化器癌シンポジウム(ASCO GI 2019)にて進行性胆道がんアジア人患者に対する抗PD-L1抗体薬であるデュルバルマブ(商品名イミフィンジ;以下イミフィンジ)単剤療法、イミフィンジ+抗CTLA-4抗体薬であるトレメリムマブ併用療法の安全性、有効性を検証した第1相試験(NCT01938612)の結果が大阪国際がんセンター・肝胆膵内科・消化器検診科・井岡達也氏らにより公表された。
本試験は、進行性胆道がんアジア人患者に対して2週を1サイクルとしてイミフィンジ10mg/kg単剤療法を投与する群(N=42人,コーホート1)、4週を1サイクルとしてイミフィンジ10mg/kg+トレメリムマブ1mg/kg併用療法を投与する群(N=65人,コーホート2)に分け、主要評価項目として治療関連有害事象(TRAE)発症率、副次評価項目として客観的奏効率(ORR)などを検証した第1相試験である。
本試験に登録された患者背景は下記の通りである。年齢中央値はイミフィンジ単剤群64歳に対してイミフィンジ+トレメリムマブ併用群62歳。ECOGパフォーマンスステータス(PS)はイミフィンジ単剤群ではPS0が64%、PS1が36%に対してイミフィンジ+トレメリムマブ併用群ではPS0が49%、PS1が51%。前治療歴中央値はイミフィンジ単剤群・イミフィンジ+トレメリムマブ併用群いずれも2レジメンであった。
以上の背景を有する患者に対する本試験の結果は下記の通りである。主要評価項目である全グレードの治療関連有害事象(TRAE)発症率はイミフィンジ単剤群64%に対してイミフィンジ+トレメリムマブ併用群82%、グレード3以上の治療関連有害事象発症率はイミフィンジ単剤群19%に対してイミフィンジ+トレメリムマブ併用群23%。また、治療関連有害事象による治療中止率はイミフィンジ単剤群2人に対してイミフィンジ+トレメリムマブ併用群5人、治療関連有害事象による死亡は両群ともに確認されていない。
副次評価項目である客観的奏効率(ORR)はイミフィンジ単剤群で部分奏効(PR)2人に対してイミフィンジ+トレメリムマブ併用群で部分奏効(PR)7人。12週病勢コントロール率(DCR)はイミフィンジ単剤群16.7%に対してイミフィンジ+トレメリムマブ併用群32.2%。奏効持続期間(DOR)中央値はイミフィンジ単剤群9.7ヶ月に対してイミフィンジ+トレメリムマブ併用群8.5ヶ月。全生存期間(OS)中央値はイミフィンジ単剤群8.1ヶ月(95%信頼区間:5.6-10.1ヶ月)に対してイミフィンジ+トレメリムマブ併用群10.1ヶ月(95%信頼区間:6.2-11.4ヶ月)。
以上の第1相試験の結果より大阪国際がんセンター・肝胆膵内科・消化器検診科・井岡達也氏らは以下のように結論を述べている。”進行性胆道がんアジア人患者に対するイミフィンジ単剤、イミフィンジ+トレメリムマブ併用療法は未知の治療関連有害事象(TRAE)を発現せず、臨床的ベネフィットも確認されました。”
Evaluation of safety and tolerability of durvalumab (D) with or without tremelimumab (T) in patients (pts) with biliary tract cancer (BTC).(ASCO GI 2019.Abstract No.387)ニュース
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