この記事の3つのポイント
・進行胃がん二次治療におけるオプジーボとサイラムザの併用
・胃がん患者46名の第1/2相臨床試験の結果
・6ヶ月時点で効果持続している方の割合は37.4%
1月17日から1月19日にかけて米国・サンフランシスコで開催された消化器癌シンポジウム(ASCO GI 2019)にて進行性胃がん患者に対する2次治療としての抗PD-1抗体薬であるニボルマブ(商品名オプジーボ;以下オプジーボ)+抗VEGF抗体薬であるラムシルマブ(商品名サイラムザ;以下サイラムザ)併用療法の有効性、安全性を検証した第1/2相試験(NCT02999295)の結果が埼玉県立がんセンター・原 浩樹氏らにより公表された。
本試験は、進行性胃がん患者(46人)に対する2次治療として2週を1サイクルとして1日目にオプジーボ3mg/kg+サイラムザ8mg/kg併用療法を病勢進行または予期せぬ有害事象を発症するまで投与し、第2相段階の主要評価項目として6ヶ月無増悪生存率(PFS)、副次評価項目として客観的奏効率(ORR)、病勢コントロール率(DCR)、無増悪生存期間(PFS)、全生存期間(OS)などを検証した第1/2相試験である。
本試験が実施された背景として、進行性胃がん患者に対するサルベージ治療としての抗PD-1抗体薬オプジーボの有効性が他の臨床試験で明らかになっており、またPD-1、VEGFR-2を阻害することで相乗的な抗腫瘍効果が期待されているためである。以上の背景より、進行性胃がん患者の2次治療の標準治療薬である抗VEGF抗体薬サイラムザと抗PD-1抗体薬オプジーボの併用療法の有効性、安全性が本試験で検証された。
本試験のフォローアップ期間中央値10.2ヶ月時点における結果、6ヶ月無増悪生存率(PFS)37.4%(90%信頼区間:25.7%-49.2%)を示し、主要評価項目の達成基準である6ヶ月無増悪生存率(PFS)36%を上回った。また、副次評価項目である客観的奏効率(ORR)26.7%、病勢コントロール率(DCR)62.2%、無増悪生存期間(PFS)中央値2.9ヶ月、全生存期間(OS)中央値9.0ヶ月を示した。
一方の安全性として、グレード3または4の治療関連有害事象(TRAE)を発症した患者は高血圧2人、下痢2人、消化管穿孔1人、出血1人、大腸炎1人、膵炎1人、胆管炎1人、肝障害1人、血腫1人、好中球減少症1人、蛋白尿1人であった。なお、治療関連死亡した患者は1人もいなかった。
以上の第1/2相試験の結果より埼玉県立がんセンター・原 浩樹氏らは以下のように結論を述べている。”進行性胃がんの2次治療としての抗PD-1抗体薬オプジーボ+抗VEGF抗体薬サイラムザ併用療法は、忍容性、抗腫瘍効果ともに良好でした。”
Phase I/II study of ramucirumab plus nivolumab in patients in second line treatment for advanced gastric adenocarcinoma (NivoRam study).ASCO-GI 2019,Abstract 129あなたは医師ですか。