初のFLT3/AXL阻害薬ゾスパタ、第三世代ALK阻害薬ローブレナなどが第二部会通過


  • [公開日]2018.08.31
  • [最終更新日]2019.02.21

8月29日、厚生労働省 薬事・食品衛生審議会医薬品第二部会が開催され、がん関連では以下の新規承認2剤2適応・適応追加2剤2適応が了承された。なお、これらの薬剤の承認は早くて9月となり、新規薬剤については11月に薬価収載される予定。

※了承とは、承認審査をすることが了承されたことを意味し、未承認(使用することは承認されていない)なのでご注意ください。

第三世代ローブレナが了承~日本初の条件付き早期承認制度に基づく審査~

第三世代ALK阻害薬であるロルラチニブ(商品名ローブレナ)は「ALKチロシンキナーゼ阻害剤に抵抗性または不耐容のALK融合遺伝子陽性の切除不能な進行・再発の非小細胞肺がん」として新規承認される予定。ALK阻害薬としては、クリゾチニブ(商品名ザーコリ)、アレクチニブ(商品名アレセンサ)、セリチニブ(商品名ジカディア)に続く4剤目であるが、既存薬に耐性を示す患者にも効果が期待できる。なお、ローブレナは日本初の「条件付き早期承認制度」に基づいた優先審査対象となっており、申請から9か月で承認される予定。

ALK陽性肺がん、申請中の第三世代ALK阻害薬ロルラチニブが優先審査対象に~制度開始後日本初。患者の想い、届く~(2018/8/31)

初のFLT3/AXL阻害薬ゾスパタが了承

日本初のFLT3/AXL阻害薬ギルテリチニブ(商品名ゾスパタ)は「再発・難治性のFLT3遺伝子変異陽性の急性骨髄性白血病」として新規承認される予定。なお、ゾスパタは先駆け審査指定制度の対象に指定されており、今回承認されれば3品目となる。

なお、ギルテリチニブは「FLT3遺伝子変異陽性急性骨髄性白血病」対象にて拡大治験中となる。

HER2阻害薬パージェタが術後補助療法で使用可能に

HER2阻害ペルツズマブ(商品名パージェタ)は、乳がん術後補助療法患者に対して使用が可能になる。これにより、パージェタの適応は「HER2陽性の乳がん」となる予定。

アドセトリスがホジキンリンパ腫初回治療から使用可能に

CD30標的の抗体薬物複合体ブレンツキシマブベドチン(商品名アドセトリス)は、CD30陽性ホジキンリンパ腫の初回治療から使用可能となった。これにより適応は「CD30陽性のホジキンリンパ腫、再発又は難治性の未分化大細胞リンパ腫」となる予定。

公知申請のFOLFOX療法が小腸がんで承認

5-FU 、オキサリプラチン、レボホリナートカルシウム(商品名アイゾボリン)の併用療法(FOLFOX療法)が「小腸がん」の適応追加されたことが報告された。既に開催された医療上の必要性の高い未承認薬・適応外薬検討会議で公知申請が妥当と判断され、公知申請されたものとなる。

2種類のCAR-T療法が希少疾病用医薬品指定

 
同日行われた厚生労働省の薬事・食品衛生審議会再生医療等製品・生物由来技術部会では、開発中の2種類のキメラ抗原受容体T細胞(CAR-T)療法となるKTE-C19とJCAR017が希少疾病用医薬品指定された。KTE-C19はびまん性大細胞型B細胞リンパ腫など適応予定とし、JCAR017はアグレッシブB細胞性非ホジキンリンパ腫と適応予定とする。

(文:可知 健太)

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