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閉経前のホルモン受容体陽性局所進行性乳がん患者に対するゴナックス+レトロゾール併用療法、卵巣機能抑制を早期に達成Journal of Clinical Oncologyより


  • [公開日]2018.12.30
  • [最終更新日]2019.03.25
この記事の3つのポイント
ゴナックス+レトロゾール併用療法有効性を比較検証した第2相試験の結果が公表された
・対象は閉経前のホルモン受容体陽性局所進行性乳がん患者
・治療開始日からの卵巣機能抑制までの期間は、トリプトレリン群に比べてゴナックス群で3倍早かった

2018年12月27日、医学誌『Journal of Clinical Oncology』にて閉経前のホルモン受容体陽性局所進行性乳がん患者に対する術前化学療法としてのゴナドトロピン放出ホルモン(GnRH)受容体アンタゴニストであるデガレリクス(商品名ゴナックス;以下ゴナックス)+レトロゾール併用療法の有効性を比較検証した第2相のTREND試験(NCT02005887)の結果がEuropean Institute of Oncology IRCCSのSilvia Dellapasqua氏らにより公表された。

本試験は、閉経前のホルモン受容体陽性局所進行性乳がん患者に対する術前化学療法として28日を1サイクルとして1日目にゴナックス240mg(2サイクル目以降は1日目にゴナックス80mg)+1日1回レトロゾール2.5mg併用療法を6サイクル投与する群(N=25人)、または28日を1サイクルとして1日目にトリプトレリン3.75mg+1日1回レトロゾール2.5mg併用療法を6サイクル投与する群(N=26人)に分けて、主要評価項目として治療開始日からの卵巣機能抑制(OFS;2.72pg/mL以下として定義)までの期間、副次評価項目としてリンパ節転移陰性率などを比較検証した第2相試験である。本試験が実施された背景として、50歳以下の乳がん患者に対する術後化学療法としての卵巣機能抑制(OFS)治療は全生存率(OS)、無病生存率(DFS)を改善することが示されており、術後化学療法としてもその有用性が注目されているためである。

本試験の患者背景は下記の通りである。

年齢中央値

ゴナックス群=45歳(42-50歳)
トリプトレリン群=44歳(42-48歳)

BMI値

ゴナックス群=25未満56.0%、25以上32.0%、不明12.0%
トリプトレリン群=25未満57.7%、25以上30.8%、不明11.5%

E2値(エラストラジオール)

ゴナックス群=98pg/ml(70-194pg/ml)
トリプトレリン群=86pg/ml(57-131pg/ml)

TNM分類T因子

ゴナックス群=T2が79.2%、T3が20.8%
トリプトレリン群=T2が96.0%、T3が4.0%

TNM分類のN因子

ゴナックス群=N0が56.0%、N1が40.0%
トリプトレリン群=N0が46.2%、N1が50.0%

エストロゲン受容体ステータス

ゴナックス群=陽性100%
トリプトレリン群=陽性100%

プロゲステロン受容体ステータス

ゴナックス群=陰性0%
トリプトレリン群=陰性3.8%

HER2ステータス

ゴナックス群=陰性100.0%
トリプトレリン群=陰性100.0%

以上の患者に対する本試験の結果は下記の通りである。主要評価項目である治療開始日からの卵巣機能抑制(OFS)までの期間はゴナックス群3日間に対してトリプトレリン群14日間、トリプトレリン群に比べてゴナックス群で治療開始日からの卵巣機能抑制(OFS)までの期間は3倍早かった(HR:3.05,95%信頼区間:1.65-5.65,P<0.001)。副次評価項目であるリンパ節転移陰性率はゴナックス群43.5%に対してトリプトレリン群34.6%、その差は8.9%(90%信頼区間:−14.0%-31.8%)を示した。乳房温存率(BCS)はゴナックス群52.2%に対してトリプトレリン群42.3%、その差は9.9%(90%信頼区間:−13.5%-33.3%)を示した。客観的奏効率ORR)はゴナックス群44.0%に対してトリプトレリン群46.2%、その差は−2.2%(90%信頼区間:−25.1%-20.8%)を示した。

一方の安全性として、最も多くの患者で確認された全グレードの治療関連有害事象(TRAE)は下記の通りである。ホットフラッシュでゴナックス群80.0%に対してトリプトレリン群69.2%、関節痛でゴナックス群32.0%に対してトリプトレリン群53.8%、不眠でゴナックス群24.0%に対してトリプトレリン群0%、高血圧でゴナックス群12.0%に対してトリプトレリン群3.8%、吐き気でゴナックス群16.0%に対してトリプトレリン群3.8%。なお、グレード3または4の治療関連有害事象(TRAE)はゴナックス群で高血圧1人、貧血1人、トリプトレリン群では0人であった。

以上のTREND試験の結果よりSilvia Dellapasqua氏らは以下のように結論を述べている。”閉経前のホルモン受容体陽性局所進行性乳がん患者に対する術前化学療法としてのゴナックス+レトロゾール併用療法は、トリプトレリン群に比べて卵巣機能抑制(OFS)効果を短期間で達成しました。”

Neoadjuvant Degarelix Versus Triptorelin in Premenopausal Patients Who Receive Letrozole for Locally Advanced Endocrine-Responsive Breast Cancer: A Randomized Phase II Trial(Journal of Clinical Oncology, Published online December 27, 2018.)

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