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未治療の移植非適応マントル細胞リンパ腫患者に対するVR-CAP療法、R-CHOP療法に比べて全生存期間を統計学有意に改善する医学誌『The Lancet Oncology』より


  • [公開日]2018.12.28
  • [最終更新日]2019.01.23
この記事の3つのポイント
・65歳以上の未治療マントル細胞リンパ腫患者を対象とした第Ⅲ相試験
・R-CHOP療法と比較し、VR-CAP療法の有効性を検証した
・R-CHOP療法に比べ全生存期間など統計学的に有意、安全性プロファイルも想定内

2018年10月20日、医学誌『The Lancet Oncology』にて未治療の移植非適応ステージII~IVマントル細胞リンパ腫(MCL)患者に対するボルテゾミブ+リツキシマブ+シクロホスファミド+ドキソルビシン+プレドニゾン(VR-CAP)併用療法の有効性を比較検証した第III相のLYM-3002試験(NCT00722137)の結果がCopernicus Memorial Hospital・Tadeusz Robak氏らにより公表された。

LYM-3002試験とは、未治療の移植非適応ステージII~IVマントル細胞リンパ腫(MCL)患者(N=487人)に対して21日を1サイクルとして1、4、8、11日目にボルテゾミブ1.3mg/㎡+1日目にリツキシマブ375mg/㎡+1日目にシクロホスファミド750mg/㎡+1日目にドキソルビシン50mg/㎡+1~5日目にプレドニゾン100mg/㎡(VR-CAP)併用療法(N=244人)を投与する群、または21日を1サイクルとして1日目にリツキシマブ375mg/㎡+1日目にシクロホスファミド750mg/㎡+1日目にドキソルビシン50mg/㎡+1~5日目にプレドニゾン100mg/㎡+1日目にビンクリスチン1.4mg/㎡(R-CHOP)併用療法を投与する群(N=243人)に1対1の割合で無作為に振り分け、主要評価項目として無増悪生存期間PFS)、副次評価項目として全生存期間(OS)などを比較検証した多施設共同無作為化オープンラベルの第III相試験である。

本試験が実施された背景として、65歳以上のマントル細胞リンパ腫(MCL)患者に対する標準治療としてR-CHOP療法があるが治療成績が不十分であるためである。マントル細胞リンパ腫(MCL)診断後の無増悪生存期間(PFS)中央値は約16.6ヶ月、全生存期間(OS)中央値は4、5年であり、これ以上の治療成績の向上が期待されR-CHOP療法に対するVR-CAP療法の有用性を検証する本試験が実施された。

本試験の登録された患者背景は下記の通りである。年齢中央値はVR-CAP群65歳(58-71歳)に対してR-CHOP群66歳(60-70歳)。性別はVR-CAP群で男性71%(N=100人)、女性29%(N=40人)に対してR-CHOP群で男性70%(N=90人)、女性30%(N=38人)。人種はVR-CAP群で白人62%(N=87人)、アジア人35%(N=49人)、黒人2%(N=3人)に対してR-CHOP群で白人71%(N=91人)、アジア人27%(N=35人)、黒人0%。

ECOG Performance StatusはVR-CAP群でスコア0が51%(N=72人)、スコア1が41%(N=58人)、スコア2が7%(N=10人)に対してR-CHOP群でスコア0が41%(N=52人)、スコア1が54%(N=69人)、スコア2が56%(N=7人)。国際予後指標(IPI)はVR-CAP群で低リスク21%(N=30人)、低中間リスク33%(N=46人)、高中間リスク32%(N=45人)、高リスク14%(N=19人)に対してR-CHOP群で低リスク20%(N=25人)、低中間リスク30%(N=39人)、高中間リスク39%(N=50人)、高リスク11%(N=14人)。なお、両群間で患者背景に大きな偏りはなかった。

本試験のフォローアップ期間中央値82.0ヶ月(74.1-94.2ヶ月)時点における結果は下記の通りである。なお、既に報告されている通り主要評価項目である無増悪生存期間(PFS)中央値はVR-CAP群24.7ヶ月に対してR-CHOP群14.4ヶ月、VR-CAP群で病勢進行または死亡(PFS)のリスクを統計学有意に37%減少(HR:0.63,95%信頼区間:0.50-0.79,P<0.001)している。

副次評価項目である全生存期間(OS)中央値はVR-CAP群90.7ヶ月(95%信頼区間:71.4ヶ月-未到達)に対してR-CHOP群55.7ヶ月(95%信頼区間:47.2ヶ月-68.9ヶ月)、VR-CAP群で死亡(OS)のリスクを統計学有意に34%減少(HR:0.66,95%信頼区間:0.51-0.85,P=0.001)した。

また、4年全生存率(OS)はVR-CAP群67.3%(95%信頼区間:60.6%-73.0%)に対してR-CHOP群54.3%(95%信頼区間:47.5%-60.7%)、6年全生存率(OS)はVR-CAP群56.6%(95%信頼区間:49.6%-63.0%)に対してR-CHOP群42.0%(95%信頼区間:35.2%-48.6%)を示した。

以上のLYM-3002試験の結果よりTadeusz Robak氏は次のような結論を述べている。”未治療の移植非適応マントル細胞リンパ腫(MCL)患者に対する治療として、R-CHOP療法に比べてVR-CAP療法は統計学有意に全生存期間(OS)を改善し、安全性プロファイルは期待通りでした。”

Frontline bortezomib, rituximab, cyclophosphamide, doxorubicin, and prednisone (VR-CAP) versus rituximab, cyclophosphamide, doxorubicin, vincristine, and prednisone (R-CHOP) in transplantation-ineligible patients with newly diagnosed mantle cell lymphoma: final overall survival results of a randomised, open-label, phase 3 study(The Lancet Oncology, DOI:https://doi.org/10.1016/S1470-2045(18)30685-5)

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