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2レジメン以上の治療歴のある進行食道がん患者に対するキイトルーダ単剤療法JAMA Oncologyより


  • [公開日]2018.12.25
  • [最終更新日]2019.09.27

2018年12月20日、医学誌『JAMA Oncology』にて複数治療歴のある進行性/転移性食道扁平上皮がん、食道腺がん患者に対する抗PD-1抗体薬であるペムブロリズマブ(商品名キイトルーダ;以下キイトルーダ)単剤療法有効性安全性を検証した第2相のKEYNOTE-180試験(NCT02559687)の結果がNew York Presbyterian Hospital・Manish A. Shah氏らにより公表された。

KEYNOTE-180試験とは、2レジメン以上の治療歴のある進行性/転移性食道扁平上皮がん、食道腺がん患者(N=121人)に対して3週間に1回キイトルーダ200mg単剤療法を病勢進行または予期せぬ治療関連有害事象(TRAE)発症まで投与し、主要評価項目として客観的奏効率ORR)を検証した第2相試験である。

本試験が実施された背景として、進行性/転移性食道がんの3次治療以降の標準治療支持療法、または臨床試験であり、科学的根拠のある治療法が確立していない。また、第1b相のKEYNOTE-028試験にてPD-L1陽性の治療歴のある進行性/転移性食道がん患者に対する抗PD-1抗体薬であるキイトルーダ単剤療法の持続的な奏効率の有用性が確認されている。以上の背景より、本試験が実施された。

本試験に登録された患者背景は下記の通りである。年齢中央値は65歳(33-87歳)。65歳以上は53%(N=64人)。性別は男性83%(N=100人)。ECOG Performance Statusはスコア0が36%(N=44人)、スコア1が64%(N=77人)。人種はアジア人32%(N=39人)、非アジア人68%(N=82人)。

組織学的分類は扁平上皮癌52%(N=63人)、腺癌48%(N=58人)。PD-L1発現率ステータスはPD-L1陽性48%(N=58人)、PD-L1陰性52%(N=63人)。HER2発現率ステータスはHER2陽性11%(N=13人)、HER2陰性40%(N=48人)、不明39%(N=47人)。前治療歴は2レジメンが88%(N=106人)、3レジメン以上が12%(N=15人)。

以上の背景を有する患者に対する本試験の結果は下記の通りである。

主要評価項目である客観的奏効率(ORR)は食道腺癌14%(95%信頼区間:7%-25%)、食道扁平上皮癌5%(95%信頼区間:1%-14%)を示した。なお、奏効の内訳は食道腺癌で完全奏効(CR)0%、部分奏効(PR)14%、食道扁平上皮癌で完全奏効(CR)0%、部分奏効(PR)5%である。

また、PD-L1発現率別の客観的奏効率(ORR)はPD-L1陽性群(N=58人)14%(95%信頼区間:6%-25%)に対してPD-L1陰性群(N=63人)6%(95%信頼区間:2%-16%)を示した。なお、奏効の内訳はPD-L1陽性群で完全奏効(CR)0%、部分奏効(PR)14%、食道扁平上皮癌で完全奏効(CR)0%、部分奏効(PR)6%である。

その他評価項目である奏効持続期間(DOR)中央値は以下の通り。

食道腺癌:未到達(95%信頼区間:1.9-14.4ヶ月)
食道扁平上皮癌:未到達(95%信頼区間:2.1-5.4ヶ月)

無増悪生存期間PFS)中央値は以下の通り。

食道腺癌:2.1ヶ月(95%信頼区間:2.0-2.4ヶ月)
食道扁平上皮癌:1.9ヶ月(95%信頼区間:1.8-2.0ヶ月)

全生存期間OS)中央値は以下の通り。

食道腺癌:6.8ヶ月(95%信頼区間:5.4-8.9ヶ月)
食道扁平上皮癌:3.9ヶ月(95%信頼区間:3.2-6.3ヶ月)。

一方の安全性として、グレード3/4の治療関連有害事象(TRAE)発症率は11%(N=14人)で、1型糖尿病3%(N=4人)、肺炎2%(N=2人)。グレード5の治療関連有害事象(TRAE)発症率は1%(N=1人)で、肺炎1%(N=1人)であった。

以上のKEYNOTE-180試験の結果よりManish A. Shah氏らは以下のように結論を述べている。”複数治療歴のある進行性/転移性食道がん患者に対するキイトルーダ単剤療法は持続的な奏効率を示し、忍容性も良好であり、本患者の治療選択肢になり得る可能性が本試験より示唆されました。”

Efficacy and Safety of Pembrolizumab for Heavily Pretreated Patients With Advanced, Metastatic Adenocarcinoma or Squamous Cell Carcinoma of the Esophagus.The Phase 2 KEYNOTE-180 Study(JAMA Oncology, December 20, 2018)

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