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多発性骨髄腫患者に対する抗CD38抗体ダラザレックス+VMP療法、2年無増悪生存率63%を示す

[公開日] 2018.12.04[最終更新日] 2018.12.04

この記事の3つのポイント ・新たに多発性骨髄腫と診断された方に対する治療 ・VMPにダラザレックスを上乗せしたときの効果 ・2年無増悪生存期間はVMP36%に対してダラザレックス上乗せすると63%
2018年12月1日より4日まで米国・サンディエゴで開催されている第60回米国血液学会(ASH)にて、新たに多発性骨髄腫患者と診断された患者に対する抗CD38抗体薬であるダラツムマブ(商品名ダラザレックス;以下ダラザレックス)+プロテアソーム阻害薬であるボルテゾミブ(商品名ベルケイド;以下ベルケイド)+メルファラン+プレドニゾロン併用療法の有効性を検証したALCYONE試験(NCT02195479)の27.8ヶ月間の長期フォローアップの結果がNational and Kapodistrian University of Athens・Meletios A Dimopoulos氏により公表された。 ALCYONE試験とは、移植非適応新規多発性骨髄腫患者(N=706人)に対してダラザレックス+ベルケイド+メルファラン+プレドニゾロン併用療法を投与する群(D-VMP,N=350人)、またはベルケイド+メルファラン+プレドニゾロン併用療法を投与する群(VMP,N=356人)に1対1の割合で無作為に振り分け、主要評価項目として無増悪生存期間(PFS)、副次評価項目として客観的奏効率(ORR)、微小残存病変(MRD)陰性化率、安全性などを比較検証したオープンラベルの第III相試験である。 本試験のフォローアップ期間中央値27.8ヶ月時点における結果、主要評価項目である無増悪生存期間(PFS)中央値はD-VMP療法群未到達に対してVMP療法群19.1ヶ月、D-VMP療法群で病勢進行または死亡(PFS)のリスクを57%統計学有意に減少した(HR:0.43,95%信頼区間:0.35-0.54,P <0.0001)。また、2年無増悪生存率(PFS)はD-VMP療法群63%に対してVMP療法群36%を示した。 なお、サブグループ解析では全ての患者群においてD-VMP療法群で無増悪生存期間(PFS)の良好な改善傾向が示され、特に75歳以上の患者群でも無増悪生存期間(PFS)はD-VMP療法群32.2ヶ月に対してVMP療法群20.1ヶ月、D-VMP療法群で病勢進行または死亡(PFS)のリスクを49%減少した(HR:0.51,95%信頼区間:0.34-0.75)。 また、副次評価項目である客観的奏効率(ORR)はD-VMP療法群90.9%に対してVMP療法群73.9%、D-VMP療法群で統計学有意に高率であった(ORR:3.52,95%信頼区間:2.30-5.49,P <0.0001)。また、D-VMP療法群の奏効の内訳は厳格な完全寛解(sCR)22.3%、完全寛解(CR)22.9%、最良寛解(VGPR)27.7%、部分寛解(PR)18.0%であった。そして、奏効持続期間(DOR)中央値はD-VMP療法群未到達に対してVMP療法群21.1ヶ月を示した。 一方の安全性として、10%以上の患者で確認されたグレード3または4の治療関連有害事象(TRAE)は好中球減少症がD-VMP療法群39.9%に対してVMP療法群39.0%、血小板減少性がD-VMP療法群34.7%に対してVMP療法群37.9%、貧血がD-VMP療法群17.1%に対してVMP療法群19.8%、肺炎がD-VMP療法群12.4%に対してVMP療法群4.0%、感染症がD-VMP療法群25.1%に対してVMP療法群14.7%を示した。 以上のALCYONE試験の長期フォローアップ結果よりMeletios A Dimopoulos氏は以下のように結論を述べている。”移植非適応多発性骨髄腫患者に対するD-VMP療法は、フォローアップ期間中央値27.8ヶ月時点でも無増悪生存期間(PFS)において良好な結果を示しました。” Johnson & Johnson プレスリリース
ニュース 多発性骨髄腫 ダラザレックス

山田創

製薬会社、オンコロジーメディアの運営を経て、フリーのメディカルライターへ転身。Twitterアカウント「@So_Yamada_」

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