この記事の3つのポイント
・術前化学療法後に残存病変を有するHER2陽性乳がん患者を対象とした第Ⅲ相試験
・術後化学療法としてのカドサイラの有効性を比較検証した
・ハーセプチン群と比較し、カドサイラ群は統計学的有意な結果を示した
2018年10月15日、エフ・ホフマン・ラ・ロシュ社のプレスリリースにて術前化学療法後に残存疾患を有するHER2陽性早期乳がん患者に対する術後化学療法としての抗HER2抗体薬物複合体であるトラスツズマブ エムタンシン(商品名カドサイラ;以下カドサイラ)単剤療法の有効性を比較検証した第Ⅲ相のKATHERINE試験(NCT01772472)の結果が公表された。
KATHERINE試験とは、術前化学療法後に残存疾患を有するHER2陽性早期乳がん患者に対して術後化学療法としてカドサイラ単剤療法を投与する群、またはトラスツズマブ(商品名ハーセプチン;ハーセプチン)単剤療法を投与する群に無作為に振り分け、主要評価項目として無浸潤疾患生存期間(iDFS)、副次評価項目として無病生存期間(DFS)、全生存期間(OS)などを比較検証した国際多施設共同の第Ⅲ相試験である。
本試験の結果、主要評価項目である無浸潤疾患生存期間(iDFS)はハーセプチン群に比べてカドサイラ群で統計学有意に改善を示し、主要評価項目を達成した。また、安全性としては既存の臨床試験で確認されているカドサイラの安全性プロファイルと一致しており、本試験で新たに確認された有害事象(AE)はなかった。
以上のKATHERINE試験の結果より、エフ・ホフマン・ラ・ロシュ社・最高医学責任者兼グローバル開発責任者であるSandra Horning氏は次のように述べている。”術前化学療法後に残存疾患を有するHER2陽性早期乳がん患者さんに対して、術後化学療法としてのカドサイラ単剤療法がハーセプチン単剤療法に比べて無浸潤疾患生存期間(iDFS)を統計学有意に延長しました。”
エフ・ホフマン・ラ・ロシュ社のプレスリリースはこちら
https://www.roche.com/media/releases/med-cor-2018-10-15.htmあなたは医師ですか。