この記事の3つのポイント
・免疫調節薬またはプロテアソーム阻害薬抵抗性を示した患者に再投与し有効性を検証
・抵抗性を示した後、ダラザレックス(単剤または他剤併用)治療をした患者に再投与した
・いずれも高い奏効率を示し、今後の治療選択肢になり得る可能性がある

2018年8月6日、医学誌『British Journal of Haematology』にて再発難治性多発性骨髄腫患者に対するヒト抗CD38モノクローナル抗体薬であるダラツムマブ(商品名ダラザレックス;以下ダラザレックス)単剤療法、または他剤との併用療法後の免疫調節薬(IMids)、プロテアソーム阻害薬(PI)の再投与の有効性を検証した後ろ向き単施設観察研究の結果がUniversity Medical Center Utrecht・Rimke Oostvogels氏らにより公表された。

本試験は、免疫調節薬(IMids)、プロテアソーム阻害薬(PI)に対して再発または難治性を示し、その後ダラザレックス単剤療法または他剤とのダラザレックス併用療法の治療を受けていた多発性骨髄腫患者(N=55人)に対し、免疫調節薬(IMids)、プロテアソーム阻害薬(PI)を再投与し、全奏効率(ORR)を検証した単施設の観察研究である。

なお、ダラザレックス単剤療法または他剤とのダラザレックス併用療法後に免疫調節薬(IMids)の再治療を受けた患者は53%(N=29人)、プロテアソーム阻害薬(PI)の再治療を受けた患者は11%(N=6人)である。

本観察研究が実施された背景として、多発性骨髄腫治療のキードラッグである免疫調節薬(IMids)、プロテアソーム阻害薬(PI)の両剤に対して難治性を示した患者の予後を改善する治療方法を開発するためである。現状、両剤に難治性を示した患者の全生存期間OS)中央値は9ヶ月から13ヶ月と予後不良である。

複数治療歴のある再発難治性多発性骨髄腫患者に対するダラザレックス単剤療法が全奏効率(ORR)30%を示し、ダラザレックスは予後改善の期待ができる薬剤である。しかし、その無増悪生存期間PFS)中央値は4ヶ月と病勢進行後の次なる治療方法の開発が必要であったため本観察研究が実施された。

本試験の結果、全奏効率(ORR)は免疫調節薬(IMids)再治療群で52%(N=15人)、プロテアソーム阻害薬(PI)再治療群で67%(N=4人)であった。また、奏効率の内訳としては免疫調節薬(IMids)再治療群で部分奏効(PR)が13人、最良部分奏効(VGPR)が2人。プロテアソーム阻害薬(PI)再治療群で部分奏効(PR)が3人、最良部分奏効(VGPR)が1人。

以上の後ろ向き単施設観察研究の結果よりRimke Oostvogels氏らは以下のように結論を述べている。”再発難治性多発性骨髄腫患者に対するダラザレックス単剤療法、または併用療法後の免疫調節薬(IMids)、プロテアソーム阻害薬(PI)の再投与は高い全奏効率(ORR)を示しました。以上の結果より、この治療レジメンは治療選択肢になり得る可能性が示唆されました。”

Efficacy of retreatment with immunomodulatory drugs and proteasome inhibitors following daratumumab monotherapy in relapsed and refractory multiple myeloma patients(British Journal of Haematology, https://doi.org/10.1111/bjh.15504)

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