目次
- 0-1
- 0-2
イミフィンジについて
イミフィンジは、2018年7月に「切除不能な局所進行の非小細胞肺癌における根治的化学放射線療法後の維持療法」を効能・効果として製造販売承認された日本初の抗PD-L1抗体である。 PD-L1に結合し、PD-L1とその受容体であるPD-1およびCD80の相互作用を阻害することで、腫瘍の免疫逃避機構を抑制し、抗腫瘍免疫反応を誘発する。 海外では、2018年2月に白金製剤を含む同時化学放射線療法(CRT)後に病勢進行が認められなかった切除不能なステージ3のNSCLCに対する治療薬として米国で承認を取得し、さらに2018年5月にカナダ、2018年6月にスイスおよびインド、2018年7月にブラジルで薬事承認を取得している。 現在、イミフィンジは、非小細胞肺がん、小細胞肺がん、尿路上皮がん、頭頸部がん、肝細胞がんならびにその他の固形がんの1次治療として、単剤療法ならびに、化学療法、放射線療法、低分子化合物および抗CTLA-4モノクローナル抗体であるトレメリムマブとの併用療法が検討されている。
イミフィンジの有効性と安全性について
本承認は第3相PACIFIC試験の良好な無増悪生存期間(PFS)データに基づいている。また、2018年5月に発表された全生存期間(OS)の中間解析では、プラセボ投与群との比較でイミフィンジ投与群の患者さんにおいて臨床的に意味のある延長を伴う統計学的に有意な結果が示された。 本試験結果の詳細については、今後学会等で発表する予定である。