この記事の3つのポイント
・本試験は、IDH1変異陽性再発難治性急性骨髄性白血病(AML)患者に対して1日1回イボシデニブ単剤療法安全性有効性などを検証した用量漸増・用量拡大試験である
・本試験の主要評価項目である3例以上の患者で確認された治療関連有害事象(TRAE)発症率はQT間隔延長7.8%、IDH分化症候群3.9%、貧血2.2%、血小板減少症または血小板数減少3.4%、白血球増多1.7%であった
・本試験の評価項目である完全寛解率(CR rate)または造血能部分回復での完全寛解率(CRh rate)は30.4%、完全寛解率(CR rate)21.6%、全奏効率ORR)41.6%であり、その奏効持続期間(DOR)中央値はそれぞれ8.2ヶ月、9.3ヶ月、6.5ヶ月であった

2018年6月21日、医学誌『The New England Journal of Medicine』にてイソクエン酸脱水素酵素1をコードする遺伝子(IDH1)変異陽性再発難治性急性骨髄性白血病(AML)患者に対するIDH1阻害薬であるイボシデニブ(AG-120)単剤療法の安全性、有効性を検証した第I相の用量漸増・用量拡大試験(NCT02074839)の結果がMD Anderson Cancer Center・Courtney D. DiNardo氏らにより公表された。

本試験は、IDH1変異陽性再発難治性急性骨髄性白血病(AML)患者(N=258人)に対して1日1回イボシデニブ単剤療法を投与し、主要評価項目として治療関連有害事象(TRAE)発症率、最大耐用量(MTD)などを検証した用量漸増・用量拡大試験である。なお、本試験は全患者(N=258人)を主要有効性集団群(N=125人)、再発難治性急性骨髄性白血病(AML)群(N=179人)の2群に分けて有効性、安全性を検証している。

本試験に登録された全患者群における患者背景は下記の通りである。年齢中央値68.0歳(18-89歳)。性別は男性47%(N=121人)、女性53%(N=137人)。発症様式は初発急性骨髄性白血病61%(N=148人)、二次性急性骨髄性白血病39%(N=94人)。分子異常に基づく層別化分類は予後良好群1%未満(N=1人)、予後中間群57%(N=147人)、予後不良群31%(N=80人)、不明12%(N=30人)。

遺伝子変異ステータスはFLT3変異7%(N=17人)、NPM1変異22%(N=53人)、CEBPA変異2%(N=5人)。IDH変異ステータスはR132C変異60%(N=156人)、R132H変異23%(N=59人)、R132G/L/S変異15%(N=39人)、その他1%(N=3人)。

以上の背景を有する患者に対する本試験の主要評価項目である治療関連有害事象(TRAE)発症率の結果は下記の通りである。再発難治性急性骨髄性白血病(AML)群で3例以上の患者で確認された治療関連有害事象(TRAE)はQT間隔延長7.8%、IDH分化症候群3.9%、貧血2.2%、血小板減少症または血小板数減少3.4%、白血球増多1.7%であった。

また、主要有効性集団における完全寛解率(CR rate)または造血能部分回復での完全寛解率(CRh rate)は30.4%(95%信頼区間:22.5%~39.3%)、完全寛解率(CR rate)は21.6%(95%信頼区間:14.7%~29.8%)、全奏効率(ORR)は41.6%(95% CI 32.9~50.8)であった。なお、完全寛解率(CR rate)または造血能部分回復での完全寛解率(CRh rate)が得られた患者(N=34人)のうち21%(N=7人)ではデジタルポリメラーゼ連鎖反応アッセイによるIDH1変異の残存は検出されなかった。

また、これらの奏効持続期間(DOR)中央値はそれぞれ8.2ヶ月(95%信頼区間:5.5~12.0ヶ月)、9.3ヶ月(95%信頼区間:5.6~18.3ヶ月)、6.5ヶ月(95%信頼区間:4.6~9.3)であった。

以上の用量漸増・用量拡大試験の結果よりCourtney D. DiNardo氏らは以下のように結論を述べている。”IDH1変異陽性再発難治性急性骨髄性白血病(AML)患者に対するIDH1阻害薬であるイボシデニブ単剤療法は、グレード3以上の治療関連有害事象(TRAE)発症率は低率でした。また、既存の標準治療に比べて奏効は深く、持続的であり良好な有効性を示しました。”

Durable Remissions with Ivosidenib in IDH1-Mutated Relapsed or Refractory AML(N Engl J Med 2018; 378:2386-2398 DOI: 10.1056/NEJMoa1716984)

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