この記事の3つのポイント
・QuANTUM-R試験とは、造血幹細胞移植(HSCT)などの治療歴のあるFLT3-ITD変異を有する再発難治性急性骨髄性白血病(AML)患者に対してFLT3阻害薬であるキザルチニブ単剤療法治験医師選択の標準化学療法(SC)に対する有効性を比較検証した第III相試験である
・本試験の主要評価項目である全生存期間OS中央値はキザルチニブ群27週間に対して標準化学療法(SC)群20.4週間、キザルチニブ群で死亡のリスク(OS)を統計学的有意に24%減少を示した
・本試験の10%以上の患者で確認されたキザルチニブ群のグレード3以上の治療関連有害事象(TRAE)は血小板数減少35%、貧血30%、好中球数減少32%、発熱性好中球数減少31%、白血球数減少17%、敗血症性ショック16%、低カリウム血症12%、肺炎12%であった

2018年6 月14日より17日までスウェーデン・ストックホルムで開催された第23回欧州血液学会(EHA2018)にて、治療歴のあるFLT3-ITD変異を有する再発難治性急性骨髄性白血病(AML)患者に対するFLT3阻害薬であるキザルチニブ単剤療法と標準化学療法(SC)の有効性を比較検証した第III相のQuANTUM-R試験(NCT02039726)の結果がMD Anderson Cancer Center・Jorge Cortes氏らにより公表された。

QuANTUM-R試験とは、造血幹細胞移植(HSCT)などの治療歴のあるFLT3-ITD変異を有する再発難治性急性骨髄性白血病(AML)患者(N=367人)に対して1日1回キザルチニブ60mg単剤療法を投与する群(N=245人)、または治験医師選択の標準化学療法(SC)である低用量シタラビン(LoDAC)、ミトキサントロン+エトポシド+中用量シタラビン(MEC)、フルダラビン+シタラビン+フィルグラスチム+イダルビシン(FLAG-IDA)などを投与する群(N=122人)に2対1の割合で無作為に振り分け、主要評価項目として全生存期間(OS)、副次評価項目として無イベント生存期間(EFS)を比較検証したアジアを含む国際多施設共同の第III相試験である。

本試験の結果、主要評価項目である全生存期間(OS)中央値はキザルチニブ群27週間(95%信頼区間:23.1-31.3週)に対して標準化学療法(SC)群20.4週間(95%信頼区間:17.3-23.7週)、キザルチニブ群で死亡のリスク(OS)を統計学的有意に24%減少(ハザード比:0.76,95%信頼区間:0.58-0.98,P=0.0177)を示した。また、52週全生存率(OS)はキザルチニブ群27%に対して標準化学療法(SC)群20%であった。

一方の安全性として、10%以上の患者で確認されたグレード3以上の治療関連有害事象(TRAE)はキザルチニブ、標準化学療法(SC)それぞれ下記の通りである。血小板数減少はキザルチニブ群35%に対して標準化学療法(SC)群34%、貧血は30%に対して29%、好中球数減少は32%に対して25%、発熱性好中球数減少は31%に対して21%、白血球数減少は17%に対して16%、敗血症性ショックは16%に対して18%、低カリウム血症は12%に対して9%、肺炎は12%に対して9%の患者でそれぞれ確認された。なお、キザルチニブ投与群241人のうち2人の患者で心電図上のQT延長が確認され、治療中止 に至ったが重篤な心室性不整脈の発症は確認されなかった。

以上のQuANTUM-R試験の結果よりJorge Cortes氏らは以下のように結論を述べている。”治療歴のあるFLT3-ITD変異を有する再発難治性急性骨髄性白血病(AML)患者に対するFLT3阻害薬であるキザルチニブ単剤療法は、標準化学療法(SC)に比べて全生存期間(OS)を統計学的有意に延長することを初めて証明しました。”

EHA 2018: Single-Agent Quizartinib vs Chemotherapy in Relapsed or Refractory AML(The ASCO Post, http://www.ascopost.com/News/58973)

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