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慢性リンパ性白血病(CLL)患者に対する一次治療としてのBTK阻害薬イムブルビカ+BCL-2阻害薬ベネトクラクス併用療法、6サイクル投与後までに微小残存病変(MRD)陰性率77%を示す

[公開日] 2018.07.04[最終更新日] 2018.07.04

この記事の3つのポイント
・CAPTIVATE試験とは、慢性リンパ性白血病(CLL)または小リンパ球性リンパ腫(SLL)患者に対する一次治療としてBTK阻害薬であるイムブルビカ+BCL-2阻害薬であるベネトクラクス併用療法の有効性、安全性を検証したII相試験である
・本試験の主要評価項目である微小残存病変(MRD)陰性率はイムブルビカ+ベネトクラクス併用療法を6サイクル投与後で77%、12サイクル投与後で86%、15サイクル投与後で93%であった
・イムブルビカ+ベネトクラクス併用群で多くの患者で確認された全グレードの治療関連有害事象(TRAE)は下痢、好中球減少症、吐き気、倦怠感などであった。

2018年6月1日より5日までアメリカ合衆国・イリノイ州・シカゴで開催された米国臨床腫瘍学会(ASCO 2018)にて、慢性リンパ性白血病(CLL)患者に対する一次治療としてのBTK阻害薬であるイブルチニブ(商品名イムブルビカ;以下イムブルビカ)+BCL-2阻害薬であるベネトクラクス併用療法の有効性を検証した第II相のCAPTIVATE試験(NCT02910583)の結果がThe University of Texas MD Anderson Cancer Center・William G. Wierda氏らにより公表された。

CAPTIVATE試験とは、慢性リンパ性白血病(CLL)または小リンパ球性リンパ腫(SLL)患者(N=164人)に対する一次治療として28日を1サイクルとして1日1回イムブルビカ420mg単剤療法を3サイクル投与後、1日1回ベネトクラクス20mg~400mg併用療法を12サイクル以上投与し、主要評価項目としてフローサイトメトリーを用いて腫瘍細胞の検出が0.01%未満として定義された微小残存病変(MRD)陰性率を検証した第II相試験である。

本試験に登録された患者背景は下記の通りである。年齢中央値58歳(28-69歳)。病期はステージIII/IVは32%(N=53人)。遺伝子異常はdel17pが15%(N=25人)、del11qが18%(N=29人)、IGHV遺伝子変異陰性60%(N=99人)。 リンパ節の最長径5cm以上が32%(N=53人)、10cm以上が3%(N=5人)。

以上の背景を有する患者に対する本試験の結果は下記の通りである。主要評価項目である微小残存病変(MRD)陰性率はイムブルビカ+ベネトクラクス併用療法を6サイクル投与後の患者群(N=30人)で77%、12サイクル投与後の患者群(N=14人)で86%、15サイクル投与後の患者群(N=14人)で93%であった。

一方の安全性として、グレード3以上の治療関連有害事象(TRAE)発症率はイムブルビカ単剤群21%(N=35人)、ベネトクラクス単剤群13%(N=21人)、イムブルビカ+ベネトクラクス併用群21%(N=34人)であった。なお、イムブルビカ+ベネトクラクス併用群で多くの患者で確認された全グレードの治療関連有害事象(TRAE)は下痢、好中球減少症、吐き気、倦怠感などであった。

以上のCAPTIVATE試験の結果よりWilliam G. Wierda氏らは以下のように結論を述べている。”慢性リンパ性白血病患者に対する一次治療としてのイムブルビカ+ベネトクラクス併用療法は高い微小残存病変(MRD)陰性率を得ることができ、忍容性もそれぞれの薬剤で確認されている有害事象(AE)と同様でした。”

Phase 2 CAPTIVATE results of ibrutinib (ibr) plus venetoclax (ven) in first-line chronic lymphocytic leukemia (CLL).(ASCO 2018, Abstract No.7502)
ニュース 白血病 イブルチニブ

山田創

製薬会社、オンコロジーメディアの運営を経て、フリーのメディカルライターへ転身。Twitterアカウント「@So_Yamada_」

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