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ALK陽性進行性非小細胞肺がんに対するALK阻害剤アレセンサ+抗PD-L1抗体薬テセントリク併用療法、忍容性は問題なし

[公開日] 2018.06.28[最終更新日] 2018.06.28

この記事の3つのポイント ・ALEX試験とは、ALK陽性進行性非小細胞肺がんに対するALK阻害剤であるアレセンサ+抗PD-L1抗体薬であるテセントリク併用療法の忍容性を検証した第Ib相試験である ・アレセンサ+テセントリク併用療法によりグレード3以上の治療関連有害事象(TRAE)は66.7%の患者で確認され、その主な治療関連有害事象(TRAE)は皮疹、ALT上昇、呼吸困難であった ・アレセンサ+テセントリク併用療法の客観的奏効率(ORR)は85.7%、奏効率の内訳としては完全奏効(CR)9.5%、部分奏効(PR)76.2%、病勢安定(SD)9.5%、病勢進行(PD)0%であった
2018年6月1日より5日までアメリカ合衆国・イリノイ州・シカゴで開催された米国臨床腫瘍学会(ASCO 2018)にて、ALK陽性進行性非小細胞肺がんに対するALK阻害剤であるアレクチニブ(商品名アレセンサ;アレセンサ)+抗PD-L1抗体薬であるアテゾリズマブ(商品名テセントリク;以下テセントリク)併用療法の安全性を検証した第Ib相のALEX試験の結果がRepublic of Korea・Dong-Wan Kim氏らにより公表された。 ALEX試験とは、ALK陽性進行性非小細胞肺がん患者(N=7人)に対して28日を1サイクルとして1日2回アレセンサ600mg+8日目にテセントリク1200mg併用療法を1サイクル投与し用量制限毒性(DLT)の発現状況を確認後、ALK陽性進行性非小細胞肺がん患者(N=14人)に対して21日を1サイクルとして1日2回アレセンサ600mg+1日目にテセントリク1200mg併用療法を投与し、主要評価項目として安全性、忍容性、副次評価項目として客観的奏効率(ORR)を検証した第Ib相試験である。 本試験に登録された患者背景(N=21人)は下記の通りである。年齢中央値53歳(36-75歳)。性別は男性57.1%(N=12人)、女性42.9%(N=9人)。人種はアジア人42.9%(N=9人)、白人57.1%(N=12人)。喫煙歴はあり(現在)9.5%(N=2人)、あり(過去)28.6%(N=6人)、なし61.9%(N=13人)。ECOG Performance Statusはスコア0が38.1%(N=8人)、スコア1が61.9%(N=13人)。 肺がんの種類は扁平上皮がん9.5%(N=2人)、非扁平上皮がん90.5%(N=19人)。中枢神経系(CNS)転移はあり28.6%(N=6人)、なし71.4%(N=15人)。 以上の背景を有する患者に対する本試験の結果は下記の通りである。主要評価項目である安全性はグレード3以上の治療関連有害事象(TRAE)は66.7%の患者で確認され、主な治療関連有害事象(TRAE)は皮疹19.0%(N=4人)、ALT上昇9.5%(N=2人)、呼吸困難9.5%(N=2人)であった。 副次評価項目である客観的奏効率(ORR)は85.7%(N=18人)、奏効率の内訳としては完全奏効(CR)9.5%(N=2人)、部分奏効(PR)76.2%(N=16人)、病勢安定(SD)9.5%(N=2人)、病勢進行(PD)0%であった。なお、奏効期間中央値は20.3ヶ月であった。 以上のALEX試験の結果よりDong-Wan Kim氏らは以下のように結論を述べている。”ALK陽性進行性非小細胞肺がんに対するALK阻害剤アレセンサ+抗PD-L1抗体薬テセントリク併用療法の忍容性は問題ないものの、過去のアレセンサ単剤療法の治療成績と同等であるため併用療法についてはさらなる検討が必要です。” Safety and clinical activity results from a phase Ib study of alectinib plus atezolizumab in ALK+ advanced NSCLC (aNSCLC).(ASCO 2018, Abstract No.9009)
ニュース 肺がん テセントリク

山田創

製薬会社、オンコロジーメディアの運営を経て、フリーのメディカルライターへ転身。Twitterアカウント「@So_Yamada_」

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