治療歴のない進行期濾胞性リンパ腫患者に対する免疫調節薬レブラミド+ 抗CD20抗体薬リツキサン併用療法、リツキサン+化学療法に比べて無増悪生存期間(PFS)、120週時点における完全寛解率(CR)は同等である米国臨床腫瘍学会(ASCO 2018)より


  • [公開日]2018.06.27
  • [最終更新日]2019.02.15
この記事の3つのポイント
・RELEVANCE試験とは、治療歴のない進行期濾胞性リンパ腫患者に対してレブラミド+リツキサン併用療法とリツキサン+化学療法有効性を比較検証した第III相試験である
・本試験の主要評価項目である治療開始120週時点における完全寛解率(CR rate)または不確定完全寛解率(CRu rate)はレブラミド+リツキサン併用群48%に対してリツキサン+化学療法併用群53%、両群間に統計学的有意な差は確認されなかった
・本試験のもう1つの主要評価項目である無増悪生存期間PFS)もレブラミド+リツキサン併用群はリツキサン+化学療法併用群に対して臨床統計学的に未達、暫定解析結果では両群ほぼ同等の結果であった

2018年6月1日より5日までアメリカ合衆国・イリノイ州・シカゴで開催された米国臨床腫瘍学会(ASCO 2018)にて、治療歴のない進行期濾胞性リンパ腫患者に対する免疫調節薬(IMiDs)であるレナリドミド(商品名レブラミド;以下レブラミド)+抗CD20モノクローナル抗体薬であるリツキシマブ(商品名リツキサン;リツキサン)併用療法とリツキサン+化学療法の有効性を比較検証した第III相のRELEVANCE試験(NCT01650701)の結果がUniversity of Texas MD Anderson Cancer Center・Nathan Hale Fowler氏らにより公表された。

RELEVANCE試験とは、治療歴のない進行期濾胞性リンパ腫患者(N=1030人)に対してレブラミド+リツキサン併用療法を投与後にリツキサン維持療法を投与する群(N=513人)、またはリツキサン+化学療法を投与後にリツキサン維持療法を投与する群(N=517人)に無作為に振り分け、主要評価項目として治療開始120週時点における完全寛解率(CR rate)または不確定完全寛解率(CRu rate)、無増悪生存期間(PFS)を比較検証した第III相試験である。

なお、リツキサン+化学療法の内訳としてはR-CHOP併用療法(シクロホスファミド、ドキソルビシンビンクリスチン、プレドニゾロン)が72%、R-B併用療法(ベンダムスチン)が23%、R-CVP併用療法(シクロホスファミド、ビンクリスチン、プレドニゾロン)が5%であった。

本試験のフォローアップ期間中央値37.9ヶ月時点における結果、主要評価項目である治療開始120週時点における完全寛解率(CR rate)または不確定完全寛解率(CRu rate)はレブラミド+リツキサン併用群48%に対してリツキサン+化学療法併用群53%、両群間に統計学的有意な差は確認されなかった(P=0.13)。

また、もう1つの主要評価項目である無増悪生存期間(PFS)は暫定であり、レブラミド+リツキサン併用群はリツキサン+化学療法併用群に対してほぼ同等の結果である(ハザード比:1.10 ,95%信頼区間:0.85-1.43,P=0.48)。

なお、2年無増悪生存率PFS rate)はレブラミド+リツキサン併用群84%に対してリツキサン+化学療法併用群87%、3年無増悪生存率(PFS rate)はレブラミド+リツキサン併用群77%に対してリツキサン+化学療法併用群78%である。

一方の安全性としては、レブラミド+リツキサン併用群とリツキサン+化学療法併用群のグレード3以上の治療関連有害事象(TRAE)プロファイルは異なっており、その内訳は下記の通りである。発熱好中球減少症はレブラミド+リツキサン併用群2%に対してリツキサン+化学療法併用群6%、好中球減少症は34%に対して50%、皮膚障害は7%に対して1%、二次性悪性腫瘍は7%に対して9%であった。

以上のRELEVANCE試験の結果よりNathan Hale Fowler氏らは以下のように結論を述べている。”治療歴のない濾胞性リンパ腫患者に対するレブラミド+リツキサン併用はリツキサン+化学療法併用と同様の有効性が得られ、安全性プロファイルは異なることが本試験より示されました。”

RELEVANCE: Phase III randomized study of lenalidomide plus rituximab (R2) versus chemotherapy plus rituximab, followed by rituximab maintenance, in patients with previously untreated follicular lymphoma.(ASCO 2018, Abstract No.7500)

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