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未治療進展型小細胞肺がん患者に対する抗PD-L1抗体薬テセントリク+化学療法併用療法、無増悪生存期間(PFS)、全生存期間(OS)ともに統計学的有意に延長する

[公開日] 2018.06.26[最終更新日] 2018.06.26

この記事の3つのポイント ・IMpower133試験とは、化学療法治療歴のない進展型小細胞肺がん患者に対する一次治療としてのテセントリク+カルボプラチン+エトポシド併用療法、カルボプラチン+エトポシド併用療法の有効性を比較検証した第III相試験である ・本試験の主要評価項目である無増悪生存期間(PFS)、全生存期間(OS)ともにカルボプラチン+エトポシド併用群よりもテセントリク+カルボプラチン+エトポシド併用群で統計学的有意に改善し、両主要評価項目を達成することが示された ・本試験の安全性としては、テセントリク併用群で確認された安全性プロファイルは既存の臨床試験で確認されているものと一致しており、本試験で新たに確認された治療関連有害事象(TRAE)はなかった
2018年6月25日、エフ・ホフマン・ラ・ロシュ社のプレスリリースにて未治療の進展型小細胞肺がん患者に対する一次治療としての抗PD-L1抗体薬であるアテゾリズマブ(商品名テセントリク;以下テセントリク)+カルボプラチン+エトポシド併用療法と化学療法の有効性を比較検証した第III相のIMpower133試験(NCT02763579)の結果が公表された。 IMpower133試験とは、化学療法治療歴のない進展型小細胞肺がん患者(N=403人)に対する一次治療としてテセントリク+カルボプラチン+エトポシド併用療法を投与する群、またはカルボプラチン+エトポシド併用療法を投与する群に1対1の割合で無作為に振り分け、主要評価項目として無増悪生存期間(PFS)、全生存期間(OS)を比較検証した多施設共同二重盲検化下の第III相試験である。 本試験の結果、主要評価項目である無増悪生存期間(PFS)、全生存期間(OS)ともにカルボプラチン+エトポシド併用群よりもテセントリク+カルボプラチン+エトポシド併用群で統計学的有意に改善し、両主要評価項目を達成することが示された。 一方の安全性として、テセントリク併用群の安全性プロファイルは既存の臨床試験で確認されているものと一致しており、本試験で新たに確認された治療関連有害事象(TRAE)はなかった。 以上のIMpower133試験の結果よりエフ・ホフマン・ラ・ロシュ社・最高医学責任者兼国際開発責任者であるSandra Horning氏は以下のように述べている。”本試験は未治療の進展型小細胞肺がん患者に対する一次治療として抗PD-L1抗体薬の有効性を示した最初の第III相試験になります。本試験の結果を可能な限り早く臨床に反映するため、我々は政府当局と協議することを楽しみにしております。” 詳細は学会発表で公開される予定です。 エフ・ホフマン・ラ・ロシュ社のプレスリリース(https://www.roche.com/media/releases/med-cor-2018-06-25.htm
ニュース 肺がん テセントリク

山田創

製薬会社、オンコロジーメディアの運営を経て、フリーのメディカルライターへ転身。Twitterアカウント「@So_Yamada_」

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