この記事の3つのポイント
・本試験は上咽頭がんを含む転移性頭頸部扁平上皮がん患者に対して抗PD-1抗体薬であるオプジーボ+体幹部定位放射線照射併用療法のオプジーボ単剤療法に対する有効性を比較検証した第II相試験である
・本試験の主要評価項目である客観的奏効率ORR)はオプジーボ+体幹部定位放射線照射併用療法群22.2%に対してオプジーボ単剤療法群26.9%、両群間で統計学的有意な違いは確認されなかった
・本試験の副次評価項目であるグレード3以上の治療関連有害事象(TRAE)発症率はオプジーボ+体幹部定位放射線照射併用療法群15%に対してオプジーボ単剤療法群11%の患者で発症した(p=0.96)

2018年6月1日より5日までアメリカ合衆国・イリノイ州・シカゴで開催された米国臨床腫瘍学会(ASCO 2018)にて、上咽頭がんを含む転移性頭頸部扁平上皮がん(HNSCC)患者に対する抗PD-1抗体薬であるニボルマブ(商品名オプジーボ;以下オプジーボ)+体幹部定位放射線照射(SBRT)併用療法とオプジーボ単剤療法の有効性を比較検証した第II相試験(NCT02684253)の結果がMemorial Sloan Kettering Cancer Center・Sean Matthew McBride氏らにより公表された。

本試験は、上咽頭がんを含む転移性頭頸部扁平上皮がん(HNSCC)患者(N=53人)に対して2週間に1回オプジーボ3mg/kg+体幹部定位放射線照射9Gy × 3併用療法を投与する群(N=27人)、または2週間に1回オプジーボ3mg/kg単剤療法を投与する群(N=26人)に無作為に振り分け、主要評価項目として非照射部位における客観的奏効率(ORR)、副次評価項目として奏効持続期間(DOR)、全生存期間OS)、無増悪生存期間PFS)などを比較検証した第II相試験である。

なお本試験に登録された患者背景において、年齢、ヒトパピローマウイルス(HPV)・EBウイルスの陽性率、腫瘍部位、前治療歴など両群間における統計学的有意な違いはなかった。

本試験の結果、主要評価項目である客観的奏効率(ORR)はオプジーボ+体幹部定位放射線照射併用療法群22.2%(95%信頼区間:10.6%-40.8%)に対してオプジーボ単剤療法群26.9%(95%信頼区間:13.7%-46.1%)、両群間で統計学的有意な違いは確認されなかった(p = 0.94)。

副次評価項目である奏効持続期間(DOR)中央値はオプジーボ+体幹部定位放射線照射併用療法群未到達に対してオプジーボ単剤療法群9.3ヶ月(95%信頼区間:5.52ヶ月-未到達)。1年全生存率(OS)はオプジーボ+体幹部定位放射線照射併用療法群64%(95%信頼区間:47%-88%)に対してオプジーボ単剤療法群53%(95%信頼区間:36%-79%)。無増悪生存期間(PFS)中央値はオプジーボ+体幹部定位放射線照射併用療法群1.9ヶ月(95%信頼区間:1.78ヶ月-未到達)に対してオプジーボ単剤療法群2.4ヶ月(95%信頼区間:1.0-11.4ヶ月)。

一方の安全性として、グレード3以上の治療関連有害事象(TRAE)はオプジーボ+体幹部定位放射線照射併用療法群15%に対してオプジーボ単剤療法群11%の患者で発症した(p=0.96)。

以上の第II相試験の結果よりSean Matthew McBride氏らは以下のように結論を述べている。”上咽頭がんを含む転移性頭頸部扁平上皮がん患者に対するオプジーボ+体幹部定位放射線照射併用療法はオプジーボ単剤療法に比べて客観的奏効率(ORR)、全生存期間(OS)、無増悪生存期間(PFS)などを統計学的有意に改善しませんでした。”

A phase II randomized trial of nivolumab with stereotactic body radiotherapy (SBRT) versus nivolumab alone in metastatic (M1) head and neck squamous cell carcinoma (HNSCC).(ASCO 2018, Abstract No.6009)

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