この記事の3つのポイント
・FLT3-ITD変異陽性再発難治性急性骨髄性白血病患者に対するキザルチニブ単剤療法は、複合完全寛解率46-56%を示した
・FLT3-ITD変異陽性再発難治性急性骨髄性白血病患者に対するキザルチニブ単剤療法、複合完全寛解(CRc)持続期間中央値10.6~16.4週間を示した
・5%以上の患者で確認されたグレード3または4の治療関連有害事象(TRAE)は発熱好中球減少症、貧血、血小板減少症、QT延長、好中球減少症、白血球減少症、血小板数減少、肺炎であった

2018年5月30日、医学誌『THE LANCET Oncogy』にて再発難治性急性骨髄性白血病患者に対するFLT3阻害剤であるキザルチニブ単剤療法の有効性を検証した第II相試験(NCT00989261)の結果がThe University of Texas MD Anderson Cancer Center・Jorge Cortes氏らにより公表された。

本試験は、一次治療化学療法に対して1年以内に再発または難治性を示した60歳以上の再発難治性急性骨髄性白血病患者(コーホート1,N=157人)、化学療法、造血幹細胞移植などに対して再発または難治性を示した18歳以上の再発難治性急性骨髄性白血病患者(コーホート2, N=176人)に対してキザルチニブ単剤療法を投与し、主要評価項目として複合完全寛解率(CRc)を検証した国際多施設共同非盲検下の第II相試験である。

本試験に登録されたコーホート1、コーホート2の患者背景はそれぞれ下記の通りである。なお、キザルチニブはFLT3-ITD変異を有する患者に対して特に有効性が期待されているため、FLT3-ITD変異ステータス別に患者を分けている。各コーホートにおけるFLT3-ITD変異ステータスはコーホート1で陽性患者112人、陰性患者44人、コーホート2で陽性患者136人、陰性患者40人であった。

年齢中央値はコーホート1のFLT3-ITD変異陽性群で69歳(66-73)、陰性群で69歳(66-72)に対してコーホート2のFLT3-ITD変異陽性群で50歳(39-59)、陰性群で54歳(44-61)。性別は男性50%(N=56人)、52%(N=23人)に対して49%(N=67人)、40%(N=16人)。ECOG Performance Statusはスコア0-1が84%(N=94人)、93%(N=41人)に対して82%(N=111人)、95%(N=38人)、スコア2が13%(N=15人)、7%(N=3人)に対して18%(N=24人)、5%(N=2人)。

強化療法の前治療歴は83%(N=93人)、80%(N=35人)に対して97%(N=132人)、95%(N=38人)。同種造血幹細胞移植の前治療歴は0%、0%に対して29%(N=49人)、28%(N=11人)。リスク分類は低リスクが2%(N=1人)、0%に対して0%、5%(N=1人)、中間リスクが84%(N=54人)、65%(N=15人)に対して79%(N=54人)、71%(N=15人)、高リスクが14%(N=9人)、35%(N=8人)に対して21%(N=14人)、24%(N=5人)。骨髄中の芽球比率は78%(51%-90%)、35%(18%-80%)に対して81%(56%-90%)、48%(21%-70%)。

以上の背景を有する患者に対する本試験の結果は下記の通りである。主要評価項目である複合完全寛解率(CRc)はコーホート1のFLT3-ITD変異陽性群56%(N=63人)、陰性群36%(N=16人)を示し、その内完全寛解率(CR)はFLT3-ITD変異陽性群3%(N=3人)、陰性群5%(N=2人)であった。また、複合完全寛解(CRc)持続期間中央値はFLT3-ITD変異陽性群16.4週間(95%信頼区間:8.1-30.4週)、陰性群12.1週(95%信頼区間:6.1-14.3週)であった。

一方、コーホート2における複合完全寛解率(CRc)はFLT3-ITD変異陽性群46%(N=62人)、陰性群30%(N=12人)を示し、その内完全寛解率(CR)はFLT3-ITD変異陽性群4%(N=5人)、陰性群3%(N=1人)であった。また、複合完全寛解(CRc)持続期間中央値はFLT3-ITD変異陽性群10.6週間(95%信頼区間:8.1-16.1週)、陰性群7.0週(95%信頼区間:4.1-8.1週)であった。

安全性としては、コーホート1、コーホート2の両群において5%以上の患者で確認されたグレード3または4の治療関連有害事象(TRAE)は発熱好中球減少症23%(N=76人)、貧血23%(N=75人)血小板減少症12%(N=39人)、QT延長10%(N=33人)、好中球減少症9%(N=31人)、白血球減少症7%(N=22人)、血小板数減少6%(N=20人)、肺炎5%(N=17人)。

また、コーホート1、コーホート2の両群において5%以上の患者で確認された重篤な治療関連有害事象(STRAE)は発熱好中球減少症38%(N=126人)、急性骨髄性白血病の病勢進行22%(N=73人)、肺炎12%(N=40人)、QT延長10%(N=33人)、敗血症8%(N=25人)、発熱5%(N=18人)で、この内キザルチニブにより重篤な治療関連有害事象(STRAE)と関連するものとして考えられたのは発熱好中球減少症23%(N=76人)、QT延長10%(N=33人)、肺炎5%(N=17人)、発熱3%(N=9人)、敗血症2%(N=8人)であった。

以上の第II相試験の結果よりJorge Cortes氏らは以下のように結論を述べている。”再発難治性急性骨髄性白血病患者に対するFLT3阻害剤であるキザルチニブ単剤療法は忍容性があり、特にFLT3-ITD変異を有する患者に対して高い奏効を示しました。”

Quizartinib, an FLT3 inhibitor, as monotherapy in patients with relapsed or refractory acute myeloid leukaemia: an open-label, multicentre, single-arm, phase 2 trial(THE LANCET Oncogy, DOI: https://doi.org/10.1016/S1470-2045(18)30240-7)

×

この記事に利益相反はありません。

記事ランキング

がんの臨床試験(治験)をお探しの方へ

がん情報サイト「オンコロ」ではがんの臨床試験(治験)情報を掲載しています。

掲載中の臨床試験(治験)情報はこちら » 臨床試験(治験)とは »

オンコロリサーチ

患者さんやそのご家族のがんに関わるあらゆる声を調査(リサーチ)するための調査を実施しております。

実施中の調査一覧はこちら »

無料メルマガ配信中

メルマガ独自のコラム、臨床試験情報、最新情報を毎週配信しています。ぜひご登録ください。

メルマガ登録はこちら »