この記事の3つのポイント
・第III相のPROFILE1014試験とは、ALK融合遺伝子陽性進行性非扁平上皮非小細胞肺がん患者に対する一次治療としてザーコリ単剤療法アリムタ+シスプラチンまたはカルボプラチン併用療法有効性を比較検証した試験である
・本試験の結果、主要評価項目である無増悪生存期間PFS)中央値は既に報告されている通りザーコリ単剤療法群10.9ヶ月に対して標準化学療法を投与する群7.0ヶ月、ザーコリ単剤療法群で病勢進行または死亡のリスクを55%減少を示している
・本試験の結果、副次評価項目である4年全生存率(OS)はザーコリ単剤療法を投与する群56.6%に対して標準化学療法を投与する群49.1%を示した

2018年5月16日、医学誌『Journal of Clinical Oncology』にてALK融合遺伝子陽性進行性非扁平上皮非小細胞肺がん患者に対する一次治療としてのALK阻害剤クリゾチニブ(商品名ザーコリ;以下ザーコリ)単剤療法、または標準化学療法併用療法の有効性を比較検証した第III相のPROFILE1014試験(NCT01154140)における全生存期間(OS)の最終解析結果がPeter MacCallum Cancer Centre・Benjamin J. Solomon氏らにより公表された。

PROFILE1014試験とは、ALK融合遺伝子陽性進行性非扁平上皮非小細胞肺がん患者(N=343人)に対する一次治療として1日2回ザーコリ250mg単剤療法を投与する群(N=172人)、3週間に1回の投与間隔で1日目にペメトレキセド(商品名アリムタ;以下アリムタ)+シスプラチン75mg/m2またはカルボプラチンAUCを6mg/ml分併用療法を投与する群(N=171人)に無作為に振り分け、主要評価項目として無増悪生存期間(PFS)、副次評価項目として全生存期間(OS)などを比較検証した国際多施設共同非盲検下の第III相の試験である。

なお、主要評価項目である無増悪生存期間(PFS)中央値の結果ついては既に報告されている通り、ザーコリ単剤療法を投与する群10.9ヶ月(95%信頼区間:8.3ヶ月-13.9ヶ月)に対して標準化学療法を投与する群7.0ヶ月(95%信頼区間:6.8ヶ月-8.2ヶ月)、ザーコリ単剤療法群で病勢進行または死亡のリスクを55%(ハザード比0.45,95%信頼区間:0.35-0.60,両側検定P<0.001)減少を示していたが、当時の報告では全生存期間(OS)の解析結果は未成熟であった。

そして、本試験の両群間のフォローアップ期間ザーコリ単剤療法群45.7ヶ月、標準化学療法群45.5ヶ月中央値時点における結果、副次評価項目である全生存期間(OS)中央値はザーコリ単剤療法を投与する群未到達(95%信頼区間:45.8ヶ月-未到達)に対して標準化学療法を投与する群47.5ヶ月(95%信頼区間:32.2ヶ月-未到達)、ザーコリ単剤療法群で死亡のリスクを24%(95%信頼区間:0.548-1.053,両側検定P=0.0978)減少するも統計学的有意な差は確認されなかった。

また、1年全生存率(OS rate)、18ヶ月全生存率(OS rate)、4年全生存率(OS rate)の結果はそれぞれ下記の通りである。1年全生存率(OS rate)はザーコリ単剤療法を投与する群83.5%(95%信頼区間:77.0%-88.3%)に対して標準化学療法を投与する群78.4%(95%信頼区間:71.3%%-83.9%)、18ヶ月全生存率(OS)はザーコリ単剤療法を投与する群71.5%(95%信頼区間:64.0%-77.7%)に対して標準化学療法を投与する群66.6%(95%信頼区間:58.8%-73.2%)、4年全生存率(OS rate)はザーコリ単剤療法を投与する群56.6%(95%信頼区間:48.3%-64.1%)に対して標準化学療法を投与する群49.1%(95%信頼区間:40.5%-57.1%)であった。

なお、本試験では両群間で病勢進行後に後治療が認められており、ザーコリ単剤療法に振り分けられた患者の19.2%(N=33人)に対して標準化学療法、標準化学療法に振り分けられた患者の84.2%(N=144人)に対してザーコリ単剤療法が後治療として投与されており、今回の全生存期間(OS)の最終解析では後治療の影響を調整して解析しており、その結果は下記の通りである。

全生存期間(OS)中央値はザーコリ単剤療法を投与する群59.8ヶ月(95%信頼区間:46.6ヶ月-未到達)に対して標準化学療法を投与する群19.2ヶ月(95%信頼区間:13.6ヶ月-未到達)、ザーコリ単剤療法群で死亡のリスクを65.4%(95%信頼区間:0.081-0.718,両側検定P=0.0978)減少を示し、全生存率(OS)を改善した。

一方の安全性としては、最も確認された全グレードの治療関連有害事象(TRAE)はザーコリ単剤療法を投与する群で視力障害73%、下痢66%、吐き気59%、標準化学療法を投与する群で吐き気58%、倦怠感39%、嘔吐36%。また、最も確認されたグレード3または4の治療関連有害事象(TRAE)はザーコリ単剤療法を投与する群で好中球減少症15%、トランスアミナーゼ上昇14%、肺塞栓症8%、標準化学療法を投与する群で好中球減少症15%、貧血10%、肺塞栓症7%、血小板減少症7%であった。

以上のPROFILE1014試験の最終解析の結果よりBenjamin J. Solomon氏らは以下のように結論を述べている。”ALK融合遺伝子陽性進行性非扁平上皮非小細胞肺がん患者さんに対する一次治療としてのザーコリ単剤療法は、全生存期間(OS)を改善することを示しました。”

Final Overall Survival Analysis From a Study Comparing First-Line Crizotinib With Chemotherapy: Results From PROFILE 1014(DOI: 10.1200/JCO.2017.77.4794 Journal of Clinical Oncology – published online before print May 16, 2018)

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