この記事の3つのポイント
・The CYCOREとは患者が自宅など病院から離れた場所にいても医師が治療関連症状などを把握できるモバイルセンサーソフトウェアである
・The CYCOREにより介入する群は介入しない群に比べて一般的に重篤な治療関連症状、頭頚部がん特有の治療関連症状を軽減した
・本試験の結果、The CYCOREにより医師はタイムリーにがん患者の治療関連症状を発見し、情報を提供を実施することで治療関連症状の緩和し、QOL向上など様々な有用性をもたらす可能性が示唆された

2018年5月16日、2018年6月1日より5日までアメリカ合衆国・イリノイ州・シカゴで開催される米国癌治療学会議(ASCO 2018)に先立って行われた報道解禁プレスキャストにて、放射線療法治療中の頭頚部がん患者に対して患者が自宅など病院から離れた場所にいても医師が治療関連症状を把握できるモバイルセンサーソフトウェアであるThe CYCOREにより介入することで治療関連症状の早期発見・緩和、QOLの向上、合併症の軽減、そして医療費削減効果などを検証した探索試験(NCT02253238)の結果がMD Anderson Cancer Center・Susan K Peterson氏らにより公表された。

本試験は、放射線療法治療中の頭頚部がん患者(N=357人)に対しThe CYCOREにより介入する群(N=169人)、介入しない群(N=188人)に振り分け、主要評価項目として治療関連症状などを評価するMDアンダーソン症状評価票(MDASI)により放射線療法開始(ベースライン)時、放射線療法完了時、放射線療法後6-8週時点のスコアを検証した試験である。なお、MDアンダーソン症状評価票(MDASI)スコアは0から10まであり、スコアは低ければ低いほど治療関連症状の程度が低いことを意味している。

本試験に登録された患者背景は下記の通りである。年齢中央値60歳(25-86歳)。性別は男性79%、女性21%。人種は白人85%。学歴は大卒54%。ベースライン時点のMDアンダーソン症状評価票(MDASI)スコアはThe CYCOREにより介入する群、しない群で同等であった。

本試験の結果、主要評価項目である放射線療法完了時点におけるMDアンダーソン症状評価票(MDASI)スコアはThe CYCOREにより介入する群の一般的に重篤な治療関連症状のスコア2.92、頭頚部がん特有の治療関連症状のスコア4.21に対し、The CYCOREにより介入しない群の一般的に重篤な治療関連症状のスコア3.4(P=0.003)、頭頚部がん特有の治療関連症状においてスコア4.83(P=0.009)であった。

また、放射線療法後6-8週時点におけるMDアンダーソン症状評価票(MDASI)スコアはThe CYCOREにより介入する群の一般的に重篤な治療関連症状のスコア1.69、頭頚部がん特有の治療関連症状のスコア1.78に対し、The CYCOREにより介入しない群の一般的に重篤な治療関連症状のスコア1.96(P=0.003)、頭頚部がん特有の治療関連症状においてスコア2.11(P=0.009)であった。

以上の試験の結果を受けてSusan K Peterson氏らは以下のように結論を述べている。”放射線療法治療中の頭頚部がん患者さんに対してThe CYCOREにより把握する臨床的意義は頭頚部がん特有の治療関連症状など軽減させるうえで有益です。がん患者さんが病院の外にいてもThe CYCOREによりタイムリーにその症状を発見し、情報を提供を実施することは治療関連症状の緩和以外にもQOLの向上など様々な有用性をもたらす可能性があるでしょう。”

Using mobile and sensor technology to identify early dehydration risk in head and neck cancer patients undergoing radiation treatment: Impact on symptoms.(2018 ASCO Annual Meeting, Abstract No.6063)

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