2018年2月8日、医学誌『The Lancet Oncology』にて骨病変のある未治療多発性骨髄腫患者に対してデノスマブ(商品名ランマーク;以下ランマーク)、ゾレドロン酸(商品名ゾメタ;以下ゾメタ)を投与し、骨関連事象(SRE)抑制効果の非劣性を比較検証した第III相の臨床試験NCT01345019)の結果がMassachusetts General Hospital Cancer Center・Noopur Raje氏らにより公表された。

本試験は、18歳以上の少なくとも1つの骨病変のある未治療多発性骨髄腫患者(N=1718人)に対して4週間に1回の投与間隔でランマーク120mg+プラセボを投与する群(N=859人)、または4週間に1回の投与間隔ゾメタ4mg+プラセボを投与する群(N=859人)に1:1の割合で無作為に振り分け、主要評価項目として骨関連事象(SRE)の初回発現日の非劣性、副次評価項目として骨関連事象(SRE)の初回発現日の優越性を比較検証した国際多施設共同二重盲検下の第III相試験である。

本試験に登録された患者背景は下記の通りである。年齢はランマーク群で65歳未満55%(N=472人)、65歳以上45%(N=387人)、75歳以上16%(N=141人)、ゾメタ群で65歳未満54%(N=464人)、65歳以上46%(N=395人)、75歳以上15%(N=132人)。性別はランマーク群で男性54%(N=464人)、ゾメタ群で男性55%(N=473人)。人種は欧州がランマーク群で59%(N=509人)、日本人が3%(N=24人)、ゾメタ群で欧州が60%(N=513人)、日本人が2%(N=18人)。ECOG Performance Statuはランマーク群で0が31%(N=263人)、1が47%(N=400人)、2が23%(N=196人)、ゾメタ群で0が30%(N=259人)、1が48%(N=413人)、2が22%(N=187人)。前治療歴は本試験に登録された99%(N=1712人)の患者であり、その内訳はランマーク群でプロテアソーム阻害薬441人、免疫調節薬(IMiDs)133人、両剤248人、ゾメタ群でプロテアソーム阻害薬452人、免疫調節薬(IMiDs)154人、両剤215人であった。

病期はISS分類でランマーク群でステージIが32%(N=272人)、ステージIIが36%(N=307人)、ステージIIIが30%(N=257人)、ゾメタ群でステージIが32%(N=275人)、ステージIIが38%(N=326人)、ステージIIIが27%(N=232人)。骨関連事象(SRE)の既往歴はランマーク群で66%(N=567人)の患者があり、ゾメタ群で67%(N=577人)の患者があり。クレアチニンクリアランス中央値はランマーク群で77ml/min(58-100)、ゾメタ群で77ml/min(59-103)、クレアチニン中央値はランマーク群で0.9mg/dl(0.8-1.1)、ゾメタ群で0.9mg/dl(0.8-1.1)。以上のように、両群間における患者背景に差はなかった。

上記背景を有する患者に対する本試験の主要評価項目である骨関連事象(SRE)の初回発現日は下記の通りである。骨関連事象(SRE)の初回発現日中央値はランマーク群で22.8ヶ月(95%信頼区間:14.7-未到達)、ゾメタ群で24.0ヶ月(95%信頼区間:16.5-33.3ヶ月)、両群間でその中央値は同等であった。そして、主要評価項目であるゾメタ群に対するランマーク群の骨関連事象(SRE)初回発現日の非劣性は証明された(ハザードリスク比:0.98,95%信頼区間:0.85–1.14,P=0.010)。一方で、副次評価項目であるゾメタ群に対するランマーク群の骨関連事象(SRE)初回発現日の優越性は証明されなかった(ハザードリスク比:1.01,95%信頼区間:0.89–1.15,P=0.84)。

一方の安全性として、最も一般的に確認されたグレード3以上の治療関連有害事象(TRAE)は好中球減少症がランマーク群で15%(N=126人)、ゾメタ群で15%(N=125人)、血小板減少症がそれぞれ14%(N=120人)、12%(N=103人)、貧血がそそれぞれ12%(N=100人)、10%(N=85人)、発熱好中球減少症がそれぞれ11%(N=96人)、10%(N=87人)、肺炎がそれぞれ8%(N=65人)、8%(N=70人)の患者で確認された。なお、最も重篤な有害事象(SAE)は肺炎でランマーク群8%(N=71人)、ゾメタ群8%(N=69人)の患者で確認された。

治療関連有害事象(TRAE)により治療中止になった患者はランマーク群で13%(N=110人)、ゾメタ群で12%(N=98人)の患者で確認された。その治療関連有害事象(TRAE)の内訳は筋骨格系・結合組織障害がそれぞれ3%(N=25人)、3%(N=25人)、顎骨壊死がそれぞれ3%(N=21人)、2%(N=14人)、感染症がそれぞれ2%(N=14人)、1%(N=11人)の患者で確認された。

以上の第III相の臨床試験の結果よりNoopur Raje氏らは以下のように結論を述べている。”本試験の結果より、骨病変のある未治療多発性骨髄腫患者さんに対してランマーク療法はゾメタ療法に劣らないことが示されました。つまり、標準治療であるゾメタに対する非劣性を証明したランマークは、新しい治療選択肢になり得ることが証明されました。”

Denosumab versus zoledronic acid in bone disease treatment of newly diagnosed multiple myeloma: an international, double-blind, double-dummy, randomised, controlled, phase 3 study(The Lancet Oncology, DOI: https://doi.org/10.1016/S1470-2045(18)30072-X)

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