この記事の3つのポイント
・NCCオンコパネルにより114個の遺伝子変異、12個の融合遺伝子変異を一度に特定できる
・未承認NCCオンコパネルに対し、保険適応の可否を判断するための制度である先進医療Bが実施される
・先進医療Bが採用された今回の研究に参加する患者は遺伝子検査費用にかかる67万円(一部研究費補てんのため自己負担額約47万円)を全額負担する

2018年4月3日、国立研究開発法人国立がん研究センターのプレスリリースにて、試薬「NCCオンコパネル」を用いることでがん患者の114個の遺伝子変異、12個の融合遺伝子変異を1度の検査で特定できる遺伝子検査を先進医療Bにより実施することが国立研究開発法人国立がん研究センター・病院長・西田俊朗氏により公表された。

先進医療Bとは未承認医薬品または医療機器等を保険適用の対象にするかどうかを検討するため、その有効性安全性臨床研究により評価する制度である。

今回の臨床研究の対象は16歳以上で全身状態が良好である標準治療の適応がない固形がんまたは原発不明がん患者205例から最大350例。本患者は国立がん研究センター中央病院、がんゲノム医療中核拠点病院、がんゲノム医療連携病院などで試薬「NCCオンコパネル」により遺伝子検査を受け、その遺伝子結果に基づき臨床効果の期待できる既承認薬、未承認薬、適応外薬などの薬剤選択が可能になる。

なお、今回の遺伝子検査は先進医療技術であるため遺伝子解析にかかる費用である67万円(一部研究費補てんのため自己負担額約47万円)全額自己負担となり、それ以外の費用は保険診療と同様分の費用を患者が負担する。

試薬「NCCオンコパネル」のようにがん関連遺伝子を一度に網羅的に調べることが可能な遺伝子検査を先進医療として実施する背景としては、原発巣部位が異なるがん種であっても、同じ遺伝子変異があり、同じ分子標的薬が有効な可能性があることが最新の研究よりわかってきたためである。

例えば、試薬「NCCオンコパネル」が検査対象とする遺伝子であるNTRK、ROS1などは未承認薬であるトロポミオシン受容体キナーゼ(TRK)阻害薬エントレクチニブが標的とする遺伝子変異であり、この薬剤は異なるがん種であっても同じ遺伝子変異がある場合には効果のある可能性が臨床試験により示唆されている。

エントレクチニブのような未承認薬以外にも、既承認薬、適応外薬などでがん種は異なるが同じ遺伝子変異を有するために同じ分子標的薬が有効になる機会が今後増えてくる。以上の背景より、国立研究開発法人国立がん研究センターは今回の研究により試薬「NCCオンコパネル」の有用性を明らかにし、保険適応を目指す。

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