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プラチナ系抗がん剤ベースの化学療法後に増悪した転移性尿路上皮がんに対するオプジーボ2年間投与、客観的奏効率(ORR)25.6%を示す

[公開日] 2018.04.04[最終更新日] 2018.04.04

2018年2月8日より10日までアメリカ合衆国・カリフォルニア州で開催されている米国泌尿器癌シンポジウム(ASCO GU2018)のポスターセッションにて、プラチナ製剤併用化学療法後の転移性尿路上皮がん患者に対する二次治療としてニボルマブ(商品名オプジーボ;以下オプジーボ)単剤療法の有効性を2年以上長期にフォローアップして検証した第I/II相のCheckMate-032試験(NCT01928394)の結果がMD Anderson Cancer Center・JPadmanee Sharma氏らにより公表された。 CheckMate-032試験とは、進行期または転移性固形がん患者に対してオプジーボ単剤療法またはオプジーボ+イピリムマブ(商品名ヤーボイ)併用療法を投与し、主要評価項目として治験担当医師の判定に基づく客観的奏効率(ORR)、副次的評価項目として全生存期間(OS)、無増悪生存期間(PFS)、有害事象(AE)発症率などを検証したオープンラベルの第I/II相である。なお、本ポスターセッションではCheckMate-032試験に参加した患者の中より、2週間に1回の投与間隔でオプジーボ 3mg/kg単剤療法が投与された転移性尿路上皮がん患者(N=78人)が対象である。 本試験に登録された患者背景は下記の通りである。年齢中央値65.5歳(31-85歳)、男性69.2%。前治療歴は1レジメンが33.3%、2レジメンが53.8%、3レジメン以上が12.8%で、2レジメン以上の治療歴のある患者は66.7%(N=52人)。腫瘍のPD-L1発現を測定できた患者は87.2%(N=68/78人)で、PD-L1発現1%以上の患者38.2%(N=26人)、PD-L1発現1%未満の患者61.8%(N=42人)。 上記背景を有する転移性尿路上皮がん患者(N=78人)に対してオプジーボ単剤療法を投与した結果、フォローアップ期間最低値24ヶ月時点における客観的奏効率(ORR)は25.6%(95%信頼区間:16.4-36.8)を示した。また、PD-L1発現率別の客観的奏効率(ORR)としては、PD-L1発現1%以上の患者群26.9%(95%信頼区間:11.6-47.8%)、PD-L1発現1%未満の患者群26.2%(95%信頼区間:13.9-42.0%)であり、PD-L1の発現の有無に関係のない腫瘍縮小効果が確認された。 副次的評価項目である全生存期間(OS)中央値は10.0ヶ月(7.3-18.6ヶ月)、1年全生存率(OS)、2年全生存率(OS)はそれぞれ46.2%(95%信頼区間:34.8-56.7%)、37.0%(95%信頼区間:26.4-47.6%)であった。また、無増悪生存期間(PFS)中央値は2.8ヶ月(1.5-5.5ヶ月)、1年無増悪生存率(PFS)、2年無増悪生存率(PFS)はそれぞれ18.7%(95%信頼区間:10.8-28.2%)、17.2%(95%信頼区間:9.7-26.6%)であった。 一方の安全性として、グレード3または4の治療関連有害事象(TRAEs)を発症した患者は28.2%(N=22人)で、その内訳は下記の通りである。リパーゼ上昇6.4%、アミラーゼ上昇5.1%、斑点状丘疹3.8%。なお、1人の患者でグレード5の肺炎が確認されている。 以上のCheckMate-032試験の結果よりJPadmanee Sharma氏らは以下のように結論を述べている。”転移性尿路上皮がん患者さんに対して、2年を超える長期治療期間でもオプジーボ単剤療法は臨床的意義ある有効性を示しました。また、長期投与してもオプジーボ既存の安全性プロファイルで確認されている有害事象(AE)以外の新たな副作用は確認されませんでした。” Nivolumab monotherapy in metastatic urothelial carcinoma: Longer-term efficacy and safety results from the CheckMate 032 study.(ASCO GU2018, Abstract No.414)
ニュース 膀胱がん ニボルマブ

山田創

製薬会社、オンコロジーメディアの運営を経て、フリーのメディカルライターへ転身。Twitterアカウント「@So_Yamada_」

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