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標準治療の適応がないKRAS遺伝子変異型転移性大腸がん日本人患者に対するアバスチン+ティーエスワン併用療法、無増悪生存期間(PFS)2.3ヶ月を示す
[公開日] 2018.03.09[最終更新日] 2018.03.09
2018年1月18日より20日までアメリカ合衆国・カルフォルニア州・サンフランシスコで開催されている消化器癌シンポジウム(ASCO-GI2018)のポスターセッションにて、標準治療の適応がないKRAS遺伝子変異型転移性大腸がん日本人患者に対するサルベージ療法としてのベバシズマブ(商品名アバスチン;以下アバスチン)+テガフール・ギメラシル・オテラシルカリウム配合(商品名ティーエスワン;以下ティーエスワン)併用療法の有効性を検証した第II相のCCOG-1105試験(UMIN000006476)の結果が名古屋大学医学部附属病院消化器外科・江坂和大氏らにより公表された。
CCOG-1105試験とは、アバスチン治療歴のあるフッ化ピリミジン、オキサリプラチン、イリノテカンなどの標準治療に対して不応または不耐を示したKRAS遺伝子変異型転移性大腸がん患者(N=27人)に対して3週間を1サイクルとして1日目にアバスチン7.5 mg/kg+1日目より14日目までティーエスワン40-60mg併用療法を投与し、主要評価項目として無増悪生存期間(PFS)、副次評価項目として全生存期間(OS)、全奏効率(ORR)、安全性などを検証したシングルアームの第II相試験である。
本試験のフォローアップ期間中央値12.3ヶ月、イベントとして病勢進行を発症した患者96%(N=26人)、死亡を発症した患者74%(N=20人)時点における結果、主要評価項目である無増悪生存期間(PFS)中央値は2.3ヶ月(95% 信頼区間:2.2-2.4)を示した。また、副次評価項目である全生存期間(OS)中央値は7.7ヶ月(95% 信頼区間:4.3-10.1)、全奏効率(ORR)は0%、病勢コントロール率(DCR)33%を示した。
一方の安全性としては、グレード3以上の血液関連有害事象(AE)は25%、非血液関連有害事象(AE)は8%の患者でそれぞれ確認された。
以上のCCOG-1105試験の結果より、江坂和大氏らは以下のように結論を述べている。”標準治療に対して不応または不耐を示したKRAS遺伝子変異型転移性大腸がん患者さんに対するサルベージ療法としてのアバスチン+ティーエスワン併用療法は治療継続が可能な治療レジメンであることが証明されました。”
Phase II trial of oral S-1 plus bevacizumab for patients with metastatic colorectal cancer refractory to standard chemotherapies (CCOG-1105 study).(ASCO-GI2018, Abstract No.841)
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