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イリノテカン治療歴のある転移性大腸がんに対するザルトラップ+FOLFIRI3併用療法、全奏効率(ORR)34.3%を示す
[公開日] 2018.03.08[最終更新日] 2018.03.08
2018年1月18日より20日までアメリカ合衆国・カルフォルニア州・サンフランシスコで開催されている消化器癌シンポジウム(ASCO-GI2018)のポスターセッションにて、治療歴のある転移性大腸がん患者に対するアフリベルセプト ベータ(商品名ザルトラップ;以下ザルトラップ)+FOLFIRI-3(CPT-11を5-FU持続静注の前と終わりに半量ずつ投与するレジメン)併用療法の有効性を検証したレトロスペクティブ試験の結果がFranco-British Institute・Candice Carola氏らにより公表された。
本試験は、フランスにある医療機関にて治療歴のある転移性大腸がん患者(N=74人)に対してザルトラップ+FOLFIRI-3併用療法を投与し、主要評価項目として全奏効率(ORR)、副次評価項目として病勢コントロール率(DCR)、無増悪生存期間(PFS)、全生存期間(OS)、安全性などを検証した多施設共同のレトロスペクティブ試験である。
本試験の結果、 主要評価項目である全奏効率(ORR)は43.3%を示し、副次評価項目である病勢コントロール率(DCR)は76.7%を示した。また、その他副次評価項目である無増悪生存期間(PFS)中央値は11.3ヶ月(95%信頼区間:6.1-29.0)、全生存期間(OS)中央値は17.0ヶ月(95%信頼区間:13.0-17.3)を示した。
また、前治療歴としてイリノテカンによる治療を受けていた患者は35人おり、その内訳としてはFOLFIRINOX療法21人、FOLFIRI療法10人、FOLFIRI-3療法4人であった。かつ、2レジメン以上の治療歴のある患者は57.1%(N=20人)であった。
上記患者に対する主要評価項目である全奏効率(ORR)は34.3%を示し、副次評価項目である病勢コントロール率(DCR)は60.0%を示した。また、その他副次評価項目である無増悪生存期間(PFS)中央値は5.7ヶ月(95%信頼区間:3.9-10.4)、全生存期間(OS)中央値は14.3ヶ月(95%信頼区間:12.8-19.5)を示した。
一方の安全性としては、5%以上の患者で確認された一般的なグレード3または4の治療有害事象(TRAE)は下痢37.9%、好中球減少症14.3%、口内炎10.4%、貧血10.4%、高血圧6.7%であった。
以上のレトロスペクティブ試験より、Candice Carola氏らは以下のように結論を述べている。”FOLFIRIレジメンの投与方法を変更することで、イリノテカン治療歴のある患者に対してもザルトラップ+FOLFIRI3併用療法の有効性は高いことが証明されました。”
FOLFIRI3-aflibercept as second- or later-line therapy in patients with metastatic colorectal cancer.(ASCO-GI2018, Abstract No.817)
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