2017年12月14日、医学誌『JAMA Oncology』にて再発卵巣がん患者に対してパクリタキセル+パゾパニブ(商品名ヴォトリエント;以下ヴォトリエント)併用療法有効性を検証した第II相試験(NCT01468909)の結果がUniversity of Texas Southwestern Medical Center・Debra L. Richardson氏らにより公表された。

本試験は再発上皮卵巣、卵管、または原発性腹膜がん患者(N=106人)に対して28日を1サイクルとして1日、8日、15日目にパクリタキセル80mg/m2+1日1回ヴォトリエント800 mgを投与する群、または28日を1サイクルとして1日、8日、15日目にパクリタキセル80mg/m2+1日1回プラセボを投与する群に1:1の割合で無作為に振り分け、主要評価項目として無増悪生存期間PFS)、副次評価項目として全生存期間OS)を比較検証した第II相試験である。

本試験に登録された患者背景は、年齢中央値61歳(35-87)、白人が83%(N=88人)、前治療としてベバシズマブ(商品名アバスチン)による治療を受けた患者の奏効割合はヴォトリエント投与群31.5%(N=14/44人)、プラセボ投与群22.7%(N=10/44人)であった。

上記背景を有する患者に対してパクリタキセル+ヴォトリエント併用療法を投与した結果、主要評価項目である無増悪生存期間(PFS)中央値はヴォトリエント投与群7.5ヶ月に対してプラセボ投与群6.2ヶ月、ヴォトリエント投与により病勢進行または死亡(PFS)のリスクが16%(ハザード比:0.84,90%信頼区間:0.57-1.22,P=0.20)減少するも、統計学有意な差は確認されなかった。

副次評価項目である全生存期間(OS)中央値はヴォトリエント投与群20.7ヶ月に対してプラセボ投与群23.3ヶ月、ヴォトリエント投与により死亡(OS)のリスクが4%(ハザード比:1.04,90%信頼区間:0.60-1.79,P=0.90)増加するも、統計学有意な差は確認されなかった。

一方の安全性は、治療関連有害事象(TRAE)発現率はヴォトリエント投与群65.4%(N=34/52人)、プラセボ投与群31.5%(N=17/54人)。ヴォトリエント投与群では7人の患者で高血圧の発症が確認され、プラセボ投与群に比べた相対的リスク比は12.0(95%信頼区間:1.62-88.84)を示した。なお、病勢進行のために治療中止になった患者はヴォトリエント投与群37%(N=20/54人)、プラセボ投与群9.6%(N=5/52人)であった。

以上の第II相試験の結果より、Debra L. Richardson氏らは以下のように結論を述べている。”再発卵巣がん患者さんに対するパクリタキセル+ヴォトリエント併用療法はパクリタキセル+プラセボ併用療法に比べて優れた治療ではないことが本試験の結果より証明されました。”

Paclitaxel With and Without Pazopanib for Persistent or Recurrent Ovarian Cancer(JAMA Oncol. 2018;4(2):196-202. doi:10.1001/jamaoncol.2017.4218)

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