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転移性腎細胞がんに対するオプジーボ+チボザニブ併用療法、客観的奏効率64%を示す

[公開日] 2018.02.23[最終更新日] 2018.02.23

2018年2月8日より10日までアメリカ合衆国・カリフォルニア州で開催されている米国泌尿器癌シンポジウム(ASCO GU2018)にて、転移性腎細胞がん患者に対する抗PD-1抗体薬であるニボルマブ(商品名オプジーボ;以下オプジーボ)+経口トリプル血管内皮細胞増殖因子(VEGF)受容体阻害剤であるチボザニブ(tivozanib)併用療法の有効性を検証した第I/II相のTiNivo試験(NCT03136627)の結果がGustave Roussy Cancer Campus・Bernard Escudier氏らにより公表された。 TiNivo試験とは、転移性腎細胞がん患者(N=27人)に対して2週間に1回の投与間隔でオプジーボ240mg+28日を1サイクルとして1日1回チボザニブ1.0mgまたは1.5mgを21日間投与し、その後7日間休薬する併用療法を実施し、主要評価項目として最大耐用量(MTD)を検証したシングルアームオープンラベルの第I/II相試験である。 本試験の安全性プロファイルが評価可能であった13人の患者における主要評価項目である最大耐用量(MTD)の結果は下記の通りである。第I相段階ではチボザニブ1.0mgを投与した患者3人、チボザニブ1.5mgを投与した患者10人であったが、投与1サイクル時点で最大耐用量(MTD)を経験した患者は1人もいなかった。 また、最も一般的な有害事象(AE)は13人全ての患者で確認され、その内訳は下記の通りである。高血圧(N=4人)、無力症(N=4人)、粘膜炎(N=4人)、下痢(N=3人)、手足症候群(N=3人)、関節痛(N=3人)、痒み(N=3人)。なお、38%(N=5人)の患者がグレード3から4の有害事象(AE)を発症しており、その内訳は血清リパーゼ・アミラーゼ値上昇(N=1人)、悪性高血圧(N=1人)、肺炎(N=1人)、口内炎(N=1人)、ALT(アラニンアミノトランスフェラーゼ)上昇(N=1人)である。 一方有効性としては、少なくとも試験参加日より4ヶ月間チボザニブ1.5mgを投与した14人の患者における腫瘍縮小の評価可能であり、その結果は下記の通りである。部分奏効(PR)以上として定義された客観的奏効率64%、部分奏効(PR)+病勢安定(SD)として定義された病勢コントロール率(DCR)100%を示した。 以上のTiNivo試験の結果よりBernard Escudier氏らは以下のように結論を述べている。”VEGF阻害剤であるチボザニブ、抗PD-1抗体薬であるオプジーボの併用療法は両剤のフルドーズの投与量でも安全性、忍容性が確認されました。今後は、抗CTLA-4抗体薬であるイピリムマブ(商品名ヤーボイ)を併用した3剤療法の有効性、安全性を臨床試験で検証する必要があります。” Tivozanib combined with nivolumab: Phase Ib/II study in metastatic renal cell carcinoma (mRCC).(ASCO GU2018, Abstract No.618)
ニュース 腎臓がん チボザニブ

山田創

製薬会社、オンコロジーメディアの運営を経て、フリーのメディカルライターへ転身。Twitterアカウント「@So_Yamada_」

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