2017年11月28日、医学誌『The Lancet Diabetes & Endocrinology』にてBMI値25kg/m2以上あるいは糖尿病は、大腸がん、胆嚢がん、膵臓がん、腎臓がん、肝臓がん、子宮内膜がん、閉経後乳がん、卵巣がん、胃噴門部がん、甲状腺がん、食道がん、そして多発性骨髄腫など12種のがんの発症に関係していることがImperial College London・Jonathan Pearson-Stuttard氏らの研究により証明された。

本研究では、2012年に175ヶ国で12種類のがんを新規に発症した患者、1980年から2002年にBMI値25kg/m2以上あるいは糖尿病を発症した患者の関係性を公開している論文を対象にメタアナリシスを実施している。なお、本研究では世界各国のがんの部位別罹患率、死亡率を集積したソフトウェアであるGLOBOCANも活用している。

本研究の結果、BMI値25kg/m2以上あるいは糖尿病は2012年新規にがんを発症した患者の5.6%に当たる792,600人の患者の独立したリスク因子に該当することが示された。そして、発症したがんの種類別内訳は、肝臓がんを発症した766,000人のうち24.5%に該当する187,600人の患者、子宮内膜がんを発症した317,000人のうち38.4%に該当する121,700人の患者の独立したリスク因子としてBMI値25kg/m2以上あるいは糖尿病が関係していた。

また、BMI値25kg/m2以上あるいは糖尿病のがん発症のリスク因子は、それぞれ影響度合いが違うことが判った。例えば、BMI値25kg/m2以上を独立したリスク因子として2012年新規にがんを発症した患者は544,300人であるのに対して、糖尿病を独立したリスク因子として2012年新規にがんを発症した患者は280,100人であった。つまり、BMI値25kg/m2以上を独立したリスク因子としてがんを発症した患者の数は糖尿病の約2倍であった。

さらに、BMI値25kg/m2以上、糖尿病のがん発症のリスク因子は性別差もあることが確認されている。BMI値25kg/m2以上、糖尿病を独立したリスク因子としてがんを発症した女性患者の数が496,700人であるのに対して男性患者の数は295,900人であった。

以上のメタアナリシスの結果を受けて、Jonathan Pearson-Stuttard氏らは以下のような結論を述べている。”BMI値25kg/m2以上あるいは糖尿病である場合にがんの発症リスクが増加することに対して、政府、病院をはじめとした機関は未然に防ぐ最適な予防策を実施することに取り組むべきです。”

また、本試験の結果に対して米国臨床腫瘍学会(ASCO)・CEO・Clifford Hudis氏は以下のような意見を述べている。”昨年10月に我々が実施した国民調査によれば、肥満ががん発症のリスク因子であると認知しているアメリカ人は3分の1未満でした。肥満が複数あるがん発症のリスク因子の中で2番目に関係する因子であるにも関わらず、このような認知度の低さでした。この事実を国民が認知するために、我々は医療分野の垣根を超えて複数の利害関係者と協力して肥満ががん発症のリスク因子であるという事実を啓発していく必要があります。”

Worldwide burden of cancer attributable to diabetes and high body-mass index: a comparative risk assessment(The Lancet Diabetes & Endocrinology, Published: 28 November 2017)

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