2017年12月9日から12日までアメリカ合衆国ジョージア州アトランタで開催された米国血液学会議(ASH2017)にて若年性急性骨髄性白血病(AML)患者に対するメンテナンス療法としてナチュラルキラー細胞に発現するKIR受容体を阻害する抗体であるlirilumab単剤療法有効性を検証した第II相のEffikir試験(NCT01687387)の結果がフランス・マルセイユにあるがん治療センターPaoli-Calmettes InstituteのNorbert Vey氏らにより公表された。

Effikir試験とは、寛解導入療法としてダウノルビシン(DNR)3日間+シタラビン(AraC)7日間持続投与の“3+7”療法、コンソリデーション療法としてシタラビン(AraC)療法などの治療を受けて完全奏効(CR)を達成した60歳から80歳の急性骨髄性白血病(AML)患者(N=152人)に対して、メンテナンス療法として最大で2年間lirilumab0.1mg/kgを間欠投与する群(N=50人)、lirilumab1mg/kgを継続投与する群(N=51人)、またはプラセボを投与する群(N=51人)の3群に無作為に振り分けて、主要評価項目として無白血病生存期間(LFS)、副次評価項目として有害事象(AE)発症率を比較検証した第II相の試験である。

本試験に登録された患者の平均投与サイクル数はlirilumabを間欠投与する群14.7、lirilumabを継続投与する群8.8、プラセボを投与する群13.8サイクルであり、継続投与する群では早期再発となった患者が多いために投与中止となった。

本試験のフォローアップ期間中央値36.6ヶ月時点における結果、主要評価項目である無白血病生存期間(LFS)中央値はlirilumabを間欠投与する群は17.6ヶ月(11.2-25.0)、lirilumabを継続投与する群6.7ヶ月(2.9-14.8)、プラセボを投与する群13.9ヶ月(7.9-27.9)を示した。そして、プラセボ投与群に対するハザード比はそれぞれ0.98(P=0.929)、1.42(P=0.144)であり、lirilumab投与により無白血病生存(LFS)を統計学的有意に改善することは証明されなかった。

一方の安全性としては、lirilumabを継続投与する群においてグレード1または2の有害事象(AE)である無力症、下痢、かゆみの発症が確認された。なお、3群間において血液学的有害事象(AE)の発症率に差はなく、二次がんを発症した患者は全体の11%(N=17人)であった。

以上のEffikir試験の結果より、若年性急性骨髄性白血病(AML)患者に対するメンテナンス療法としてのlirilumab単剤療法の有効性は示されなかった。

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