2018年1月1日、医学誌『Journal of Clinical Oncology(JCO)』にてヒト免疫不全ウイルス(HIV)感染者が肛門がんを発症するリスク因子について検証した試験の結果がVivian Colón-López氏らより公表された。

本試験では、1996年から2012年の間のアメリカ合衆国の9つの地域で肛門がんとして診断された患者を対象にヒト免疫不全ウイルス(HIV)に感染した患者と感染していない患者を比べて、肛門がん発症率に違いがあるかどうかを検証している。また、ポアソン回帰分析により肛門がんを発症した患者の特徴を検証するためのサブグループ解析を実施している。

本試験の結果、ヒト免疫不全ウイルス(HIV)を感染した患者(N=447,953人)は感染していない患者に比べて19.1%(95%信頼区間:18.1-20.0)、肛門がんの発症率が高いことが示された。また、肛門がんを発症する確率の高い患者の特徴は男性間性交渉(MSM)の経験があること、高齢であること、そして後天性免疫不全症候群 (AIDS)であること(レート比:3.82,95%信頼区間:3.27-4.46)であった。

また、肛門がんの5年累積発症の絶対的リスクについても検証しており、ヒト免疫不全ウイルス(HIV)に感染する男性間性交渉(MSM)の経験のある45歳以上59歳以下の患者が0.32%に対して60歳以上の患者は0.33%、後天性免疫不全症候群 (AIDS)を発症した男性間性交渉(MSM)の経験のある30〜44歳、45〜59歳の患者0.29%に対して60歳以上の患者は0.65%であった。

以上の試験の結果より、肛門がんを発症するリスクは男性間性交渉(MSM)の経験がある患者、高齢である患者、ヒト免疫不全ウイルス(HIV)に感染する患者、後天性免疫不全症候群 (AIDS)を発症する患者において明らかに高まることが証明された。そして、このような患者に対しては肛門がんを早期発見するためのスクリーニング検査を実施する臨床的意義は高いであろうとVivian Colón-López氏らは結論づけている。

Anal Cancer Risk Among People With HIV Infection in the United States(Journal of Clinical Oncology 36, no. 1 (January 2018) 68-75.)

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