イムブルビカ治療後に病勢進行した慢性リンパ性白血病(CLL)に対するベネトクラックス、全奏効率(ORR)65%を示すThe Lancetより


  • [公開日]2018.02.05
  • [最終更新日]2018.02.05

2017年12月12日、医学誌『The Lancet』にてイブルチニブ(商品名イムブルビカ;以下イムブルビカ)投与後に病勢進行した慢性リンパ性白血病(CLL)患者に対するベネトクラックス(ABT-199)単剤療法有効性安全性を検証した第II相試験(NCT02141282)の結果がSapienza University・Francesca R Mauro氏らにより公表された。

本試験は、前治療に対して病勢進行した慢性リンパ性白血病(CLL)患者(N=127人)のうち、イムブルビカによる治療を受けた後に病勢進行した慢性リンパ性白血病(CLL)患者(N=91人)に対して1日1回ベネトクラックス50mgで投与開始し、5週間かけて1日1回ベネトクラックス400mgまで増量し、主要評価項目である全奏効率ORR) を検証した多施設共同オープンラベル無作為化の第II相試験である。

なお、ベネトクラックスを投与した患者91人のうち43人の患者はメインコーホート、48人の患者は拡大コーホートに登録されている。

本試験のフォローアップ期間中央値14ヶ月(8-18)時点における結果、主要評価項目である全奏効率(ORR)は65%(95%信頼区間:53-74)であった。また、各コーホート別のフォローアップ期間中央値メインコーホート19ヶ月(9-27)、拡大コーホート12ヶ月(8-15)における全奏効率(ORR)はそれぞれ70%(54-83)、60%(43-72)を示した。

一方の安全性は、最も一般的なグレード3または4の有害事象(AE)は好中球減少症51%(N=46人) 、血小板減少症29%(N=26人)、貧血29%(N=26人)、白血球数減少19%(N=17人)、リンパ球数減少15%(N=14人)であった。なお、19%(N=17人)の患者で死亡が確認されたが、治療関連による死亡は0%であった。

以上の第II相試験の結果より、イムブルビカによる治療を受けた後に病勢進行した慢性リンパ性白血病(CLL)患者に対するベネトクラックス単剤療法の有効性、安全性が証明された。

Venetoclax: a chance for patients with chronic lymphocytic leukaemia previously treated with ibrutinib(The Lancet, Published: 12 December 2017)

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