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ネクサバール治療歴のある進行性肝細胞がんに対するキイトルーダ単剤療法、客観的奏効率(ORR)16.3%を示す

[公開日] 2018.02.01[最終更新日] 2018.02.01

2018年1月18日より20日までアメリカ合衆国・カルフォルニア州・サンフランシスコで開催されている消化器癌シンポジウム(ASCO-GI2018)のポスターセッションにて、ソラフェニブ(商品名ネクサバール;以下ネクサバール)治療歴のある進行性肝細胞がん患者に対するペムブロリズマブ(商品名キイトルーダ;以下キイトルーダ)単剤療法の有効性を検証した第II相のKEYNOTE-224試験(NCT02702414)の結果がMassachusetts General Hospital・Andrew X. Zhu氏らにより公表された。 KEYNOTE-224試験とは、ネクサバール治療歴のある進行性肝細胞がん患者(N=104人)に対して3週間に1回の投与間隔でキイトルーダ200mgを2年間または病勢進行などの理由により投与継続が困難になるまで投与し、主要評価項目として客観的奏効率(ORR)、副次評価項目として病勢コントロール率(DCR)、無増悪生存期間(PFS)、全生存期間(OS)を検証したオープンラベルの第II相試験である。 本試験に登録された患者背景は、年齢中央値68歳(43-87)、B型肝炎ウイルス(HBV)感染率21.2%、C型肝炎ウイルス(HCV)感染率94.2%、Child-Pugh Aの患者79.8%である。 上記背景の患者に対してキイトルーダ単剤療法を投与した結果、主要評価項目である客観的奏効率(ORR)は16.3%(95%信頼区間:9.8-24.9)を示し、その奏効割合の内訳としては完全奏効(CR)1.0%(N=1人)、部分奏効(PR)15.4%(N=16人)、病勢安定(SD)45.2%(N=47人)、病勢進行(PD)32.7%(N=34人)であった。 また、副次評価項目である病勢コントロール率(DCR)は61.5%、無増悪生存期間(PFS)中央値4.8ヶ月(95%信頼区間:3.4-6.6)、全生存期間(OS)中央値未到達(95%信頼区間:9.4-未到達)であった。なお、6ヶ月無増悪生存率(PFS)、6ヶ月全生存期間(OS)はそれぞれ43.1%、77.9%を示した。 一方の安全性としては、キイトルーダ単剤療法投与による治療関連有害事象(TRAE)は73.1%の患者で確認され、10%以上の患者で確認されたグレード3以上の治療関連有害事象(TRAE)は疲労21.2%、アスパラギン酸アミノ基転移酵素(AST)上昇12.5%であった。なお、免疫介在性肝炎は2.9%(N=3人)の患者で確認されている。 以上のKEYNOTE-224試験の結果より、ネクサバール治療歴のある進行性肝細胞がん患者に対するキイトルーダ単剤療法は持続的な奏効を示し、無増悪生存期間(PFS)も全生存期間(OS)もともに期待のできる結果を示した。ネクサバール治療歴のある進行性肝細胞がんに対するキイトルーダ単剤療法、客観的奏効率(ORR)16.3%を示す。 KEYNOTE-224: Pembrolizumab in patients with advanced hepatocellular carcinoma previously treated with sorafenib.(ASCO-GI2018, Abstract No,209)
ニュース 肝臓がん 免疫チェックポイント阻害薬

山田創

製薬会社、オンコロジーメディアの運営を経て、フリーのメディカルライターへ転身。Twitterアカウント「@So_Yamada_」

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