※注意:本研究は、直接、乳がんの再発を確認しているわけではありません。

2018年1月22日、医学誌『Journal of Clinical Oncology(JCO)』にてメタボリックシンドローム、筋肉が減り脂肪が増える状態であるサルコペニア肥満、過体重、そして肥満である乳がんサバイバーに対して有酸素運動、筋抵抗運動介入をする臨床的意義を検証した試験の結果がUniversity of Southern California・Christina M. Dieli-Conwright氏らにより公表された。

本試験では、乳がんサバイバー(N=100人)患者に対して運動介入をする群(N=50人)、または通常ケアをする群(N=50)の2群に無作為に振り分け、ベースライン時より比較して介入後4ヶ月時点のメタボリック症候群、サルコペニア肥満、過体重、そして肥満などの標準スコアの変化率を検証している。なお、介入する運動の内容としては最大心拍数の65%〜85%程度の強度により有酸素運動、筋抵抗運動を週3回の頻度で16週間継続している。

本試験に参加した患者背景は年齢中央値53歳(±10.4歳)、46%の患者が肥満である。メタボリックシンドロームは心血管イベント、2型糖尿病の発症リスクを増加させるだけでなく、乳がんの再発リスクを増加させる関連性があるため本試験が実施された。

本試験の結果、メタボリックシンドロームの標準スコアの変化率は通常ケアをする群に比べて運動介入する群で標準スコア-4.4の統計学的有意な改善が確認された(95%信頼区間:−5.9 to −2.7,P < .001)。また、サルコペニア肥満(P = .001)、そしてインスリン(P = .002)、IGF-1(P = .001)、レプチン(P = .001)、アディポネクチン(P = .001)などメタボリックシンドローム、サルコペニア肥満に関連する血清バイオマーカー値もメタボリック症候群同様に通常ケアをする群に比べて運動介入する群で統計学的有意な改善が確認された。

以上の試験の結果より、Christina M. Dieli-Conwright氏らは以下のように結論を述べている。”有酸素運動、筋抵抗運動介入により乳がんサバイバー患者のメタボリックシンドローム、サルコペニア肥満に関連するバイオマーカー値を減少させることが本試験により証明されました。本試験の結果より、メタボリックシンドロームを合併する乳がんサバイバー患者の運動介入を後押しできることになるでしょう。”

Effects of Aerobic and Resistance Exercise on Metabolic Syndrome, Sarcopenic Obesity, and Circulating Biomarkers in Overweight or Obese Survivors of Breast Cancer: A Randomized Controlled Trial(Journal of Clinical Oncology – published online before print January 22, 2018)

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