2017年12月18日、医学誌『Journal of Clinical Oncology(JCO)』にてBRAF V600E遺伝子変異陽性乳頭状甲状腺がん患者における死亡率と年齢の関係性について検証された試験の結果がアメリカ合衆国・ミシガン州・University of MichiganのMegan R. Haymart氏らより公表された。

本試験の患者背景は乳頭状甲状腺がんと診断された2638人の患者である。男女比は男性623人、女性2015人、診断時の年齢中央値46歳(35-58)、フォローアップ期間中央値58ヶ月(26-107)である。

なお、BRAF V600E遺伝子変異陽性率41%(N=1094人)であり、BRAF V600E遺伝子変異陽性患者の年齢中央値は48歳、陰性患者は44歳である。

本試験の結果、BRAF V600E遺伝子変異陽性の患者の死亡率は年齢とともに上昇する(P=0.002)が、BRAF V600E遺伝子変異陰性の患者の死亡率は年齢に関係しない(P=0.36)ことが示された。

また、臨床病理学的特性の患者背景を調整し、45歳の患者と比べた時の50歳、60歳、70歳、80歳の患者の死亡率のハザード比を検証した結果は下記の通りである。

BRAF V600E遺伝子変異陽性の患者の死亡率のハザード比はそれぞれ1.47、4.03、12.92、42.35と年齢に比例してリスクも増加した。一方、BRAF V600E遺伝子変異陰性の患者の死亡率のハザード比はそれぞれ1.56、1.92、1.64、1.38であり、年齢上昇に伴う死亡率の増加傾向は確認されなかった。

なお、BRAF V600E遺伝子変異と死亡率の関係性については乳頭状甲状腺がんの一般的な遺伝子変異においても同様の傾向が確認されている。

以上の結果より、Megan R. Haymart氏らは以下のように結論を述べている。”高齢の乳頭状甲状腺がん患者の死亡率はBRAF V600E遺伝子変異のステータスに依存します。年齢はBRAF V600E遺伝子変異陽性乳頭状甲状腺がん患者においては独立した危険因子になりますが、BRAF V600E遺伝子変異陰性の患者において年齢は危険因子にはなりません。今回の試験で得られ知見は、従来乳頭状甲状腺がん患者のハイリスク因子として用いられている年齢に対して疑問を呈し、乳頭状甲状腺がんのリスク分類のためには年齢だけでなくBRAF V600E遺伝子のステータスを考慮する必要性を訴えることになるでしょう。”

Is BRAF V600E Mutation the Explanation for Age-Associated Mortality Risk in Patients With Papillary Thyroid Cancer?(DOI: 10.1200/JCO.2017.76.2583 Journal of Clinical Oncology – published online before print December 14, 2017)

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