日本人多発性骨髄腫患者の一次治療としてエムプリシティ+レブラミド+デキサメタゾン併用療法が有効性を示す第59回米国血液学会議(ASH2017)より


  • [公開日]2017.12.26
  • [最終更新日]2017.12.26

2017年12月9日から12日までアメリカ合衆国ジョージア州アトランタで開催されている米国血液学会議(ASH2017)にて、移植非適応の新規多発性骨髄腫患者に対するエロツズマズ(商品名エムプリシティ)+レナリドミド(商品名レブラミド)+デキサメタゾン併用療法有効性を検証した第II相のCA204-116試験(NCT02272803)の結果が公表された。

CA204-116試験とは、造血幹細胞移植(HSCT)適応でない新規多発性骨髄腫日本人患者(N=82人)に対してエムプリシティ+レブラミド+デキサメタゾン併用療法を投与する群(N=40人)、またはレブラミド+デキサメタゾン併用療法を投与する群(N=42人)に無作為に振り分け、主要評価項目として閾値を71%と設定した客観的奏効率(ORR)、副次評価項目として無増悪生存期間(PFS)などを検証した国内多施設共同オープンラベルの第II相試験である。

本試験に登録された患者背景は、年齢中央値73歳で、65歳以上75歳未満の患者割合はエムプリシティ+レブラミド+デキサメタゾン併用療法群で65%(N=26人)、レブラミド+デキサメタゾン併用療法群で52%(N=22人)、75歳以上は35%(N=14人)、45%(N=19人)であった。

本試験の結果、主要評価項目である客観的奏効率(ORR)はエムプリシティ+レブラミド+デキサメタゾン併用療法群で88%(70%信頼区間:80-93%、95%信頼区間:73-96%)、レブラミド+デキサメタゾン併用療法群で74%、エムプリシティ+レブラミド+デキサメタゾン併用療法群で閾値として設定した71%が超え、主要評価項目を達成することが示された。

一方の安全性は、各薬剤で過去に確認された安全性プロファイルと一貫しており、本試験で新たに確認された副作用はなかった。

以上のCA204-116試験を受けて、国立病院機構災害医療センター血液内科医長であり、本試験のリード治験医師である竹迫直樹医師は以下のように述べている。「近年の医療の進歩にも関わらず、未だに多発性骨髄腫は治癒が望めない疾患であり、初期治療を受けた大半の患者さんが再発を経験します。本試験により、未治療の多発性骨髄腫患者さんに対する一次治療としてエムプリシティの有効性が示せたことを嬉しく思います。

Elotuzumab Plus Lenalidomide/Dexamethasone (ELd) Vs Ld in Patients with Newly Diagnosed Multiple Myeloma: Phase 2, Randomized, Open-Label Study in Japan(ASH2017, Abstract.434)

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