2017年11月20日、医学誌『THE LANCET Oncology』にて未治療の進行性非小細胞肺がん患者に対するセツキシマブ(商品名アービタックス)+化学療法(パクリタキセル+カルボプラチン)±ベバシズマブ(商品名アバスチン)の有効性を検証した第III相のSWOGS0819試験(NCT00946712)の結果が公表された。

SWOGS0819試験とは、未治療のステージ4非小細胞肺がん患者(N=1313人)に対してアービタックス+化学療法±アバスチンを投与する群(N=656人、アバスチン投与群283人、アバスチン非投与群373人)、化学療法±アバスチンを投与する群(N=657人、アバスチン投与群277人、アバスチン非投与群380人)に1:1の割合で無作為に振り分け、主要評価項目であるEGFR-FISH陽性非小細胞肺がん患者における無増悪生存期間(PFS)、全ての非小細胞肺がん患者における全生存期間(OS)を比較検証した国際多施設共同の第III相試験である。

なお、EGFR-FISH検査は本試験登録患者976人に対して実施され、アービタックス投与群199人、アービタックス非投与群201人、合計400人(41%)の患者がEGFR-FISH陽性と判定されている。

本試験のフォローアップ期間中央値35.2ヶ月時点における主要評価項目であるEGFR-FISH陽性非小細胞肺がん患者における無増悪生存期間(PFS)の結果は、アービタックス投与群5.4ヶ月に対してアービタックス非投与群4.8ヶ月(ハザード比0.92、p=0.40)であった。

また、もう1つの主要評価項目である全ての非小細胞肺がん患者における全生存期間(OS)中央値はアービタックス投与群10.9ヶ月に対してアービタックス非投与群9.2ヶ月(ハザード比0.93、p=0.22)であった。以上の結果より、アービタックス非投与群に対してアービタックス投与群は主要評価項目の無増悪生存期間(PFS)も全生存期間(OS)も有意に延長しないことが判った。

しかし、EGFR-FISH陽性肺扁平上皮がん患者における全生存期間(OS)中央値の解析を実施したところ、アービタックス投与群11.8ヶ月に対してアービタックス非投与群6.1ヶ月(ハザード比0.58、p=0.0071)であった。なお、本患者における無増悪生存期間(PFS)の結果はアービタックス投与群4.5ヶ月に対してアービタックス非投与群2.8ヶ月(ハザード比0.68、p=0.055)であった。

一方の安全性としては、最も一般的に確認されたグレード3または4の有害事象(AE)は、アービタックス投与群、非投与群でそれぞれ好中球数減少が37%、25%、白血球数減少が16%、20%、疲労が13%、20%、皮膚障害が8%、1%未満であった。

また、治療関連死亡率はアービタックス投与群、非投与群でそれぞれ6%、2%で確認され、有害事象(AE)による死亡または予期せぬグレード4の治療関連有害事象(AE)により死亡率は9%、5%であった。

以上の試験の有効性、安全性の結果を受けて、治験医師らは下記のように本試験を結論づけている。”本試験の主要評価項目は未達成になりましたが、EGFR-FISH陽性肺扁平上皮がん患者における抗EGFR抗体薬アービタックスによる治療は推奨できる結果が出ました。”

Cetuximab plus carboplatin and paclitaxel with or without bevacizumab versus carboplatin and paclitaxel with or without bevacizumab in advanced NSCLC (SWOG S0819): a randomised, phase 3 study(The Lancet Oncology, Published: 20 November 2017)

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