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進行性胃がんに対する二次治療としてのキイトルーダ単剤療法、PD-L1発現率陽性患者における全生存期間(OS)、無増悪生存期間(PFS)ともに有意に延長しない

[公開日] 2017.12.18[最終更新日] 2017.12.18

2017年12月14日、進行性胃がんおよび食道胃接合部がんに対する二次治療としてのペムブロリスマブ(商品名キイトルーダ;以下キイトルーダ)単剤療法の有効性を検証した第III相試験のKEYNOTE-061(NCT02370498)の結果をメルク・アンド・カンパニー社が自社のプレスリリースで公表した。 KEYNOTE-061とは、フッ化ピリミジン系製剤+プラチナ製剤併用療法後に病勢進行した進行胃がんおよび食道胃接合部がん患者(N=592人)に対する二次治療として3週間に1回の投与間隔でキイトルーダ200mg単剤療法を投与する群、または28日を1サイクルとして1、8、15日目にパクリタキセル80mg/m2単剤療法を投与する郡に無作為に振り分け、主要評価項目である22C3抗体を用いた免疫組織染色により測定されたPD-L1発現率陽性と判定された患者におけるOS(全生存期間)、PFS(無増悪生存期間)を比較検証したオープンラベルの第III相試験である。なそ、副次評価項目であるPD-L1発現率陽性有無に関係のない患者におけるOS、PFS、ORRである。 なお、PD-L1発現率は22C3抗体を用いた免疫組織染色のCPS(Combined Positive Score,PD-L1で染色された細胞数(腫瘍細胞、リンパ球、マクロファージ)/全生存細胞数×100)1%より大きい場合を陽性としている。 本試験の結果、主要評価項目であるPD-L1発現率陽性と判定された患者における全生存期間(OS)はパクリタキセル投与群に対するキイトルーダ投与群の統計学的有意な結果を得られなかった(ハザードリスク比0.82,95%信頼区間[CI]0.66-1.03,p=0.042)。また、もう1つの主要評価項目であるPD-L1発現率陽性と判定された患者における無増悪生存期間(PFS)もパクリタキセル投与群に対するキイトルーダ投与群の統計学的有意な結果を得られなかった。 一方の安全性は、これまで確認されている各薬剤の安全性プロファイルと一致しており、KEYNOTE-061試験により新たに確認された副作用はなかった。 以上のKEYNOTE-061試験の結果を受けて、メルク・アンド・カンパニー社・チーフメディカルオフィサー(CMO)であるRoy Baynes博士は以下のように述べている。”我々は胃がん患者さんに対するキイトルーダの治療選択肢としての可能性を今後も探索的に研究していきます。KEYNOTE-061試験に参加して頂けた患者さん、治験医師に感謝を申し上げるとともに、KEYNOTE-061試験における客観的奏効率(ORR)をはじめ本試験の全ての結果をお知らせできることを楽しみにしております。”
ニュース 胃がん 免疫チェックポイント阻害薬

山田創

製薬会社、オンコロジーメディアの運営を経て、フリーのメディカルライターへ転身。Twitterアカウント「@So_Yamada_」

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