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再発難治性ホジキンリンパ腫に対するアドセトリス+オプジーボ併用療法で6割が完全奏効率を達成
[公開日] 2017.12.13[最終更新日] 2017.12.13
2017年12月9日から12日までアメリカ合衆国・ジョージア州・アトランタで開催されている第59回米国血液学会議(ASH2017)にて、再発難治性ホジキンリンパ腫患者に対するニボルマブ(商品名オプジーボ)+ブレンツキシマブベドチン(商品名アドセトリス)併用療法の有効性、安全性を検証した第I/II相試験(NCT02572167)の結果が公表された。
本試験は、初回治療としてABVD療法など化学療法レジメンの治療歴のある再発難治性ホジキンリンパ腫患者(N=62人)に対して21日を1サイクルとして8日目にオプジーボ3mg/kg+1日目にアドセトリス1.8mg/kg併用療法を最大4サイクルまで投与し、その後適応のある患者に対しては造血幹細胞移植(HSCT)を実施し、主要評価項目として完全奏効(CR)率、有害事象(AE)発現率を検証したオープンラベルシングルアームの第I/II相試験である。
本試験に登録された患者背景は、年齢中央値36歳、前治療歴としては95%の患者がABVD療法、またはABVD-PC療法、R-ABVD療法を受けていた。投与サイクル数としては4サイクルまで完遂した患者が62人の内58人、治療サイクル完遂前に投与中止となった患者は4人、造血幹細胞移植(HSCT)へ移行した患者は54人であった。
以上の背景を有する患者に対してオプジーボ+アドセトリス併用療法を投与した結果、評価可能であった患者60人における主要評価項目である完全奏効(CR)率は62%(N=37人)であった。なお、客観的奏効率(ORR)は83% (N=50人)、その内訳は部分奏効(PR)22% (N=13人)、安定(SD)8% (N=5人)、病勢進行(PD) 8% (N=5人)であった。
また、もう1つの主要評価項目である有害事象(AE)発現率としては、造血幹細胞移植(HSCT)前に少なくとも20%以上の患者で確認されたのは吐き気、疲労、インフュージョンリアクション(IRR)、痒み、下痢、頭痛、咳、嘔吐、呼吸困難、鼻づまり、発熱、発疹であった。
グレード3または4の有害事象(AE)は31% (N=19人)で発症した。グレード3の有害事象(AE)としては28% (N=17人)で発症が確認され、その内容は疲労、インフュージョンリアクション(IRR)、痒み、下痢であった。グレード4の有害事象(AE)は3% (N=2人)で発症が確認され、その内容は血小板減少症、リパーゼ増加であった。
なお、インフュージョンリアクション(IRR)を除く免疫関連有害事象(irAE)は82%の患者(N=50人)で発症が確認され、グレード2の免疫関連有害事象(irAE)は大腸炎、肺炎、グレード3は下痢、AST(アスパラギン酸アミノトランスフェラーゼ)上昇、グレード4は大腸炎、肺炎であった。
本試験の結果を受けて、City of Hope Medical Centerの助教授であり本試験のリード治験医師であるAlex Herrera博士は以下のように述べている。”CD30抗原を標的とするモノクローナル抗体薬アドセトリスと抗PD-1抗体薬オプジーボの併用は有望な治療であると考えられます。これらの薬剤を併用することにより抗腫瘍効果が相乗的に高まる可能性が本試験により示唆されました。”
Results from a Phase 1/2 Study of Brentuximab Vedotin in Combination with Nivolumab in Patients with Relapsed or Refractory Hodgkin Lymphoma(ASH201 Abstract. 649)
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